平成27年予特 特別会計3月10日

介護報酬の改定と保険料

○辻薫委員  よろしくお願いします。私からは、介護保険事業会計についてお伺いします。

 2015年は介護報酬の改定の年ということで、既に4月から介護報酬が2.27%引き下げられるということが発表されております。これにより65歳以上の第1号被保険者を含めて、介護保険料の上げ幅が抑制されたわけです。しかしながら、結果的には介護保険料が上がるということで、ちょっと疑問に思っていらっしゃる方がいます。

 また、介護報酬の引き下げによって、介護職員の給与が下がってしまうんではないか、また、サービス低下につながっていくんではないかという誤解をされている方も多くいらっしゃいますので、ここで改めて確認させていただきたいと思います。

 まず、基本的なことですけれども、介護報酬とは何か、そしてだれが負担しているのかを確認させてください。

○松田介護保険課長  介護報酬でございますが、サービスに対して支払われる報酬でございますので、サービスを使った方と、あと保険者である区が払っております。保険者が9割、原則的にあとの1割を利用者に御負担をいただいている内容でございます。

○辻薫委員  区民厚生委員会でも話がありましたけれども、介護報酬の引き下げによって、むしろ介護職員の処遇改善が行われて、介護サービスの充実が図られるという説明もございました。改めて、介護報酬の改定概要についてお示しください。

○松田介護保険課長  今回、介護報酬につきましては、全体では2.27%の引き下げでございました。ただ、これは単に全体を引き下げたというよりは、重点化、効率化を図るというところで引き下げの部分がございまして、それから中度や重度の方が、地域で生活を支えていくために新たな加算がつくられた部分もございます。

 それに加えまして、処遇改善ということで、それぞれの事業所で一定の要件を満たす職員に対する改善を行った事業所については、おおむね1人当たり1万2,000円の改善ができるような加算、処遇改善加算が新しく設定されたものでございます。

○辻薫委員  なかなかそこら辺のところは伝わらないというのが現実にあったと思いますけれども、また、国庫負担等の割合の改定によって、現役世代の負担が軽減されるというようなこともお聞きしました。この点についても説明をお願いいたします。

○松田介護保険課長  介護保険の給付費は半分が保険料、半分は国と都と区がそれぞれ費用を負担しております。この50%で賄う保険料につきまして、政令で40歳から64歳までの現役世代に担っていただく分、そして65歳以上の第1号被保険者に担っていく部分の割合が決まっております。これが今回の改定で1号の方、65歳以上の方22%になって、その分1%、現役世代の方の負担割合が減ることによりまして、金額でございますが、9年ぶりに96円の平均で引き下げという結果が出ております。

○辻薫委員  本当に、なるたけ公平にということで、国もいろいろやりとりはしていると思いますけれども、その上で今回の次期、第6期の介護保険料について伺いますけれども、介護保険課のこの資料によりますと、現在の第5期から第6期では、第1号被保険者が約1万人ふえるということと、これは5.7%ということですけれども、標準給付費見込み額は約72億円、14.5%増加するということで、当然こういうふうに考えると、保険料がかなりふえるということなんですけれども、その他の増額の要因も含めてちょっと説明いただきたいと思います。

○松田介護保険課長  今、委員がおっしゃいました全体の人数がふえ、そのためにどうしても一定の率で要介護になる方が出てくるということによる給付費の見込みが上がることに加えまして、まず先ほど申し上げました1号被保険者、65歳以上の方に担っていただきます、まず保険料の率が21%から22%に1ポイントアップするという点、それから、東京都はやはり物価であるとか人件費が高いということで、地域区分というのが介護報酬の外挿しでついております。これが18%だったものが20%に2ポイントアップするという点、それから、前回3年前に介護保険料を引き下げるために投入できました基金の金額が、前回5億円ほど投入できたんですが、今回はそれが3億円ということで、そういった要因が保険料増加の原因になっていると考えております。

○辻薫委員  ありがとうございます。今回のこのマイナス改定によって、介護報酬の引き下げにより、どれだけ抑制できたということもちょっと気になるところなんですけれども、本区の、先ほど今ありましたけれど、減額の取り組みもそうですけれども、国として、引き下げたことによって、保険料がどれだけ下げられたのか。結果的には、さっき言いましたように保険料は上がってしまったわけですけれども、どれだけ抑制されたかというのは大事な点だと思いますので、確認させてください。

○松田介護保険課長  私どもの豊島区の介護保険料をもとにした試算でございますが、今回の報酬改定分では、およそ110円分、基準額から引き下げを図れたものと考えております。そのほか、基金の投入でありますとか、応能負担に応じた弾力化ということで、細かく保険料を設定させていただいたことなどで、一定の引き下げと抑制ができたのではないかというふうに考えています。

○辻薫委員  そこら辺のところはなかなか難しいというか、説明がなかなか区民に難しいところなんですけれども、実際そういう抑制ができたということも大事なことだと思います。

 それでまた、平成29年4月からは消費税引き上げ財源を活用して、低所得者の保険料をさらに軽減する取り組みを導入するということも説明いただきました。ここもちょっと改めて伺いたいと思います。

○松田介護保険課長  当初、消費税のアップに際してということで、国から低所得者に対する保険料の軽減策が図られることになっておりましたが、今回、消費税率のアップは見送られましたけれども、一定の低所得の方には保険料軽減は行うということでございまして、公費で保険料とは別に投入がなされまして、今回4月からは一番低所得の方の保険料の0.5というところが、まず0.45の引き下げになります。

 27年、28年につきましては、この一番低所得の方たちのみのところの軽減策でございますが、29年4月からは非課税の部分の方たちにつきましては、それぞれ所得に応じて、基準額に対して0.7のところの方たちは0.5、そして0.75の方たちは0.7、今回0.45まで引き下げた部分の方たち、約1万2,000人の方については、29年からは0.3まで基準額から保険料を引き下げる予定になっております。

○辻薫委員  ちょっと前後しちゃいましたけれども、そうしますと、例年だと保険料はどのぐらい上がっていて、今回、ことし、引き下げによる効果ということもありますけれども、どれほど額が下がったのかと。単純に金額を比較していただくとどうなるんでしょうか。

○松田介護保険課長  今回、値上げをさせていただくということで、本来であれば、一番低所得の方たちの値上げによりまして、月額、現在払っていただいている金額で約2,590円だった方が、本当ですと300円程度上がって2,900円程度になるところが、今回の引き下げで、おおむね今と変わらない金額をお支払いいただくことになります。

 ほかの非課税の第2段階、第3段階の方たちにつきましては、今回、月額にして一定の御負担をいただくんですけれども、先ほど申し上げました軽減を図りますと、一気に保険料が下がりまして、今、0.45になる方たちは1,730円まで下がります。そして、今回、4,050円になる方たちは2,890円まで下がる予定です。そして、4,300円になる方につきましては4,050円まで押し下げまして、全体といたしましては2億円超の軽減が図られることになっております。

○辻薫委員  いろいろと国も努力し、また、本区でも減額の段階だとか、やっていただいて努力しているというふうに私は感じております。

 まとめますけれども、やはりこれからすべての団塊の世代が75歳以上になるというふうになりますと、2025年には月々の介護保険料も8,200円程度になるんではないかと。今、5,000円台ですけれども、こういうふうに増加するというふうに予測されております。限られた予算の中で、給付の重点化と効率化、先ほどおっしゃっていただきましたけれども、バランス調整が重要な課題となります。そのために制度を正しく理解していただくことが介護保険制度を適切に運営していただくために必要です。

 私も常に言っておりますけれども、やはり自立を助けるための保険であるということの制度のやはり正しい理解ということが大事かなというふうに思っています。とりわけこの保険料やサービス利用の負担、きちんと御理解いただける丁寧な区民への説明、これから区民説明会というのもやると思いますけれども、そこをぜひお願いしたいと思います。また、その負担軽減に本当に取り組んでいるということも大事かなというふうに思って、改めて確認させていただきました。よろしくお願いいたします。