令和 3年予算委員会 3月12日一般会計公債費以降歳出・歳入・特別会計
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起債残高

○辻薫委員  どうぞよろしくお願いいたします。私からは、公債費について伺います。

令和3年度の豊島区当初予算、この案の17ページに記載されてますけれども、本区の起債残高は平成11年度以降、着実に減少してきていますけれども、28年度以降は、これを見ますと、横ばい、あるいは増加傾向にあるということがうかがえます。

そこで、起債残高が増加傾向にある理由について、まずお聞かせください。

○三沢財政課長  この起債でございますが、過去を振り返りますと、平成3年度以降、バブルの直後ですが、当時毎年度のように多額の区債を発行したという経緯がございます。こうしたことによりまして、平成11年度には、起債残高は過去最大となる667億円まで膨らんだという苦い経験がございます。その後、起債の徹底抑制に努めたことから、着実に起債残高は減少し続けておりますが、その結果、平成27年度には、11年度の際の約7割減となる208億円まで減少させました。また、平成11年度当時は、まだいわゆる隠れ借金というのがございまして、これも起債残高に含めますと872億円という巨額の負債があったことから、この872億円と平成27年度時点を比べますと、約8割の負債を計画的に解消してきたという実績が本区にはございます。この平成28年度以降、今御指摘のように起債残高がちょっと増加しつつありますが、この理由ですけれども、平成28年度は池袋本町の連携校でありますとか、池袋第三小学校、平成29年、30年度は巣鴨北中学校といった義務教育施設の改築工事を行ったこと、そのほかにもイケ・サンパークや区民センター改築事業などのまちづくり記念事業などによって起債が少し増えているような状況にございます。

○辻薫委員  今、義務教育施設の改築工事とか、また、まちづくりの記念事業ということで、いずれも必要なものということで、そういったことが原因であるということが分かりました。

それでは、起債残高の推移に連動して実質公債費比率はどのように推移しているのかお聞かせください。

○三沢財政課長  実質公債費比率ですけれども、改めて簡単に御説明いたしますと、こちらは、一般会計等が義務的に支出しなければならない公債費や公債費に準じた経費の標準財政規模に対する比率のことを示した財政指標です。すなわちこの数値が大きくなれば大きくなるほど、借入金等に係る返済負担が大きくなるといった指標でございます。この起債残高がこの数年ちょっと増加していることに伴いまして、平成28年度以降、実質公債費比率も少しずつアップするような状況にございます。

○辻薫委員  今言ったように、平成28年度以降、悪化傾向にあるということなんですけれども、それでは本区の起債残高及び実質公債費比率というのは、他区と比較するとどのような状況なのかお聞かせください。

○三沢財政課長  他区との比較という御質問ですけれども、23区との起債残高を比較する際、当然ですけど、区ごとの財政規模が全く異なっておりますので、単なる残高比較は適切ではないと考えております。そのため比較検討ができるように、区ごとの標準財政規模に対する起債残高、これを指数で表したもので御説明申し上げますと、令和元年度末の決算も出ておりますが、こちらの指数は23区平均ですと、19.2となっておりますが、本区は残念ながら33.7と、23区中3番目にまだ指数が高い状況でございます。すなわち財政規模に対しても起債残高が高い区に分類されるような状況にございます。また、令和元年度決算におけます23区の実質公債費比率の平均はマイナス3.1%、これは分かりづらいんですけども、実質公債費はマイナス値が大きければ大きいほど負債の負担が少ないということになるんですが、23区の平均はマイナス3.1%ですが、本区の実質公債費比率はマイナス1.8%と、やはりこちらも23区中7番目に比率が高い状況にございまして、借入金等に係る返済負担が比較的23区の中では大きいほうの分類に入ってございます。

○辻薫委員  今お聞きしたとおり、本区の起債残高及び実質公債費比率については、特に公債費比率については、23区中で極めて高いという、7番目に高いというような状況も伺いまして、特別区の中ではまだまだ高い状況であるということを確認したところでございます。

一方で、今年このコロナ禍にあって厳しい財政状況の中でも、真に必要な投資事業、先ほども話をさせていただきましたけども、実施していく必要があると考えてるわけでございます。多額の予算を伴う投資事業の財源調達には区債の発行も有効な手段であると思いますけども、最後に、このコロナ禍における区債の発行、非常に難しいとこだと思いますけども、どのように考えていらっしゃるのか、最後お聞かせください。

○三沢財政課長  先ほども御指摘ありましたとおり、義務教育施設の改築やその他の老朽化した公共施設の改修、改築については、コロナ禍であっても計画的に実施する必要があると認識してございます。その際必要になる財源につきましては、単年度に負担が集中することがないよう、財政負担の平準化を図る必要もございます。また、巨額の資金を要する施設ですけれども、この完成した後の施設の利用とそのコストの負担という観点からは、現役世代と将来世代にわたる負担の公平性を図るという意味からも、起債というのは有効な手段でございます。しかしながら、本区の起債残高は、先ほども御答弁申し上げましたとおり、23区の中でも既に高い状況にあります。そうしたことから、新たなる起債につきましては、将来世代への負担を考慮する必要があります。また、今後の財政運営につきましても、これまで以上にこの先の状況を見据える必要があることから、コロナ禍におけます区債の発行については、区長のトップ判断を仰ぎながら慎重に検討する必要があるものと考えてございます。

○高野区長  かつて大変苦しかった時代等々の財政状況もいろいろお話、財政課長からいたしましたけど、本当にこれほど豊島区の財政厳しい状況を乗り切ってきただけに、今後の財政運営は、その経験を生かした形で区政を進めていかなきゃいけないという、大変私たちにとって、将来に向けてしっかりした目標を持ってやっていく、そういう中でやはり起債、非常に借金が公に認められ、将来に向けての負担をこの起債という形の中で取り組むというのは、行政の一つの大きな基本的な役割といいますか、特徴があるわけでありますけど、やはり借金をしてしまうと、当然それに対する利息も含めて毎年返していかなきゃいけない。これに公債費比率が、私が区長になったときは14.4%というとんでもないというか、もう予算を組んだら、それはもう支出をしなきゃいけないというような形でありましたけど、この起債に非常に苦しめられながら来たわけであります。起債が今、増加傾向という形の中では、やはりまちづくり事業とか、あるいは教育環境等々思い切った、令和元年等々には、このような過大投資をしたわけであります。今これからやらなきゃいけないことは、やはり起債をいかに抑えていくかということが、私は今後の大きな課題だと思っておりますので、今回の予算を組むに当たっても、あるいはこれからもこの起債ということをできるだけ抑制をして、それを全ての基本にしながら経済な財政運営をしていくというようなことを考えておりますので、ちょっと今までとはスタイルが変わってくるかもしれませんが、ただ、これらの多大な投資をしたものには必ず結果を出して、将来のこの豊島区のまちづくりに寄与するような、財政面を含めて、そういう面での大きな計画的なこのような形を進めてきたわけでありますので、今後はこれらについて、起債等々については慎重に、やはり将来を考えて進めてまいりたいと思います。