平成25年予算特別委員会 議会・総務費( 3月 1日)
東京初のセーフコミュニティ認証都市として
○辻薫委員 公明党からは、最初に私、辻薫から質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
最初に、予算書175ページの総務費、企画費であるセーフコミュニティ推進事業費について伺います。
セーフコミュニティにつきましては、平成22年2月の取り組み宣言、ここから始まりまして、区民の皆様の大変大きな協力があって、そして昨年11月に正式な認証式が行われたわけでございますけれども、ことしに入りまして今定例会に上程されました豊島区自治の推進に関する基本条例の一部を改正する条例におきまして、地域の人とのきずなを広げながら安全・安心と健康の質を高めていくまちづくりとして明記されたわけでございます。
そこでまず、セーフコミュニティは区民との協働によるまちづくりであり、その長期継続的な推進を区政の基幹に位置づけるための条例でありまして、そう理解しておりますけど、まずこの点につきまして確認させていただきます。
○齊藤セーフコミュニティ推進室長 豊島区のような高密都市にあっては、また豊島区のような大都市におけるコミュニティが希薄化しやすい都市におきましては、これ、これから先についても安全・安心という基本的なテーマ、そしてコミュニティの活性化という2つの大きなテーマがございます。この2つのテーマをセーフコミュニティという概念の中で一緒に進めていく、それがセーフコミュニティ活動でございまして、これは、これから先も豊島区が宿命としてずっと向き合っていかなければいけない安全・安心とコミュニティ、この2つを区政の根幹に位置づけるということにつきましては、非常に大きな意義があると考えております。
○辻薫委員 ありがとうございました。私も、生まれ育ったこの豊島区で、安全・安心が基幹として位置づけられたということ、非常にうれしく思っております。
そこで、具体的に、決算特別委員会で私もこの認証取得後の取り組みということで質問させていただいて、その認証取得後につきましては、最少の経費で最大の効果を上げていくと、こういう意味で、あらゆる機関、団体とのより一層分野横断的な連携と協働を図るとともに、予防活動の効果を測定、評価できる仕組みづくりに取り組むように要望させていただきました。
そこで、この25年度の予算を見ますと、300万円ということでかなり抑えられたのかなという感じがいたしますけども、この予算の中で具体的にどのように25年は取り組んでいかれるのかお聞かせください。
○齊藤セーフコミュニティ推進室長 予算はかなり抑えて計上しております。ただ、セーフコミュニティというのは、高齢者の問題、それから障害者の問題、子どもの問題、自殺の問題、さまざまな10項目の重点テーマがございまして、私どものこの予算というのは、セーフコミュニティ推進室として、そういった10項目を全体的に制御してコントロールしていくための予算でございまして、一つ一つの事業を展開していくという趣旨ではございません。
ですから、先ほど委員がおっしゃったように、セーフコミュニティ推進室では普及啓発ということ、それからサーベイランスと申します、区民全体の、この豊島区地域のけがの状況をしっかりと把握していくという、そういった調査経費をその中でとっておりまして、それを各対策委員会に情報提供して、しっかりと推進していきたいと思っているところでございます。
○辻薫委員 今、ちょっとお話が出ましたが、重点課題ということで、各委員会でずっと進めてきたところがあると思う。ちょっと25年度で室長のほうで押さえている事業について簡単に説明していただければと思います。
○齊藤セーフコミュニティ推進室長 ここで一つ一つ御説明しますと、時間がなくなってしまうんですが、10項目の対策委員会それぞれに、一歩二歩、確実に新たな事業の展開がございます。ですから、ちょっとこれはこの後の予算特別委員会の中でまた明らかにできればと思いますけれども、セーフコミュニティの重点テーマについて、多分、この指標に基づいて大きな成果が毎年毎年生まれてくるかなと。25年度については特にその第1年目でございますので、各対策委員会が中心になって各部局と一緒に予算どりをしているということで理解しております。
○辻薫委員 そこで、引き続き、先ほどもお話しさせていただきましたけど、そちらでは、やはり今後ともその測定、評価、先ほどサーベイランスという話もありましたけれども、そういう仕組みづくりが大事かなと思いますけども、この取り組みにつきましてはいかがでしょうか。
○齊藤セーフコミュニティ推進室長 セーフコミュニティ推進室のほうでは、救急搬送データを使いまして、あらゆる分野、あらゆる場所における区民の皆様のけがの状況をしっかりと把握しております。
また、もう1つは、学校におけるけがについても教育委員会と連携いたしまして、新しい方法で新年度から進める予定でございます。
また、障害者や子ども、高齢者のけがにつきましては、それぞれの主管部局と連携をとりまして、アンケート調査等、つまり、計画を策定する際には、それぞれの部局がアンケート調査をいたしますので、そういった中で必要な項目を設けまして、区民の皆様のあらゆる世代のリスクについて把握をしているところでございます。
○辻薫委員 今、御説明いただいたところが、やはり今回の推進事業費の中に含まれていると理解しております。
そこで、なかなかこのセーフコミュニティへの理解というのが、まだまだもちろん区民の方の中には認証取得したというだけで、されていないと思います。
そこで、昨年は、このセーフコミュニティとあわせてインターナショナルセーフスクールの認証取得も行われたわけですけれども、認証式典での朋有小学校の皆さんの本当に元気な姿、また自発能動な姿というのは非常に印象的で残っております。
高野区長、定例会の初日の所信表明で、インターナショナルセーフスクールの拡大に言及もされました。今後、セーフコミュニティの活動の推進とともに、このセーフスクールの展開をどのように考えていらっしゃるのか、室長としてどのように考えていらっしゃるのかお聞かせください。
○齊藤セーフコミュニティ推進室長 セーフスクールにつきましては、文部科学省のほうで、学校の安全の推進に関する計画という中にしっかりと位置づけが行われました。その中でも、セーフティプロモーションというセーフコミュニティの考え方、また特にセーフスクールにつきましては、児童・生徒に対する安全・安心教育にとって非常にすぐれた手法であるということまで明記されておりまして、これから来年度以降、セーフスクールの考え方が日本の教育の中で大きく発展していく可能性がございます。
そういった中で、やはり今、委員がおっしゃったように、セーフスクールというのは、非常に小学校という限られたエリアをテーマにしております。小学校の中だけではなくて、小学校区の中の安全・安心ということをテーマにしているわけでございまして、エリアが限られているところがみそなんですね。つまり、27万人で全体でセーフコミュニティを進めていくということも非常に重要なことでございますが、自分にとって身近な、生活者にとって身近な問題として認識するのがなかなか難しい面もございます。そこで、小学校区というエリアの中にセーフスクールがあるわけでございます。さらに、セーフスクールという取り組みの小学校区というのは、先ほども質問ございました地域区民ひろば、このエリアでもございます。
ですから、大きく申し上げますと、これから先の豊島区のセーフコミュニティの発展というのは、地域区民ひろばがあって、セーフスクールがあって、同じエリアで、そこで学校と地域が協力していく、そういった構図の中で、身近な問題として、より多くの区民の皆様に安全・安心を考えていただく。それがひいては27万区民のセーフコミュニティの発展につながっていくという構造を戦略的に考えていきたいと思っているところでございます。
○辻薫委員 大事な視点だと思います。自分にとってのセーフコミュニティというのは、これから視点として大事だなということで、今の取り組みは具体的な取り組みだと思っております。
ちょっと最後に取りまとめさせていただきますけども、高野区長が、先ほどもちょっと紹介させていただきましたけども、所信表明演説の中で、セーフコミュニティを横糸としてすべての施策を再構築し、安全・安心創造都市を区の施策の集大成としてとらえるという豊島区ならではの試みが区民の皆さんに浸透するとともに、そのことによって私たちの発想が大きく変わり、未来に向けてのはずみになったと考えていますとおっしゃっています。
その考えとともに私は要望するのは、やはり豊島区が東京初の認証取得都市ということで、やはり国内外は問わず、やはり国際的にも一定の役割を果たしていく必要があると考えますけども、この点につきまして最後お聞きしたいと思います。
○高野区長 セーフコミュニティについては、いろいろ、本当に3年間かかって、皆さんとともにここまで来れたと思っております。
当初は全くセーフコミュニティそのものが、我々もさることながら、区民の方々は全く御理解いただけなかったというか、簡単な横文字なんだけど、なかなかわかりにくくて浸透しなかったわけでありますけど、3年間の取り組みとともに、今回、国際認証を取得したということは、大きな、私たちのこれからの豊島区の、今、所信表明でも申し上げたように、未来へ向かっての、私は1つの大きな目標といいますか、そういうものが確立されたのではないかな。
ただ、セーフコミュニティ取得はまさにスタートであります。これからどういう、5年後までに展開をしていくか。それは、もう数字で、実績で、データで示さないと、これは評価をされないわけでありますので、これからもちろん大変な取り組みになっていくわけでありますけど、本当に世界のモデルになるような、ちょっとオーバーですけど、本当に自治の基本、まさに安全・安心というのはすべてでありますので、これに取り組む姿勢というのは、私は、皆さんとともに考え進めてきたことは間違っていないと思っておりますので、ぜひ、これらを自信を持ってやっぱりやっていきたい、そんな思いをしております。
それから、先ほどセーフスクール等々についても触れていただきましたけど、教育委員会の所管にもかかわるわけでありますので、その辺は我々としても非常に緊密な連携をとっていかないといけないのではないか、それは自覚しております。教育委員会といろいろ話した中でも、ぜひ、ただモデルをつくるだけじゃなくて、やっぱり31校全校に伝わるような、できるような、それがまさに豊島区の大きな、次代を担う1つのポイントになるんではないかという意味では、教育委員会でも十分に理解をいただいていると思っておりますので、慌てずに、一つ一つ着実にやっぱり進めていかなきゃいけない。
本当に振り返りますと、よくここまで来れたといいますか、これもやはり議会の理解、あるいは区民の最大の理解のたまものじゃないかと思っておりますので、今後、これらを自信を持ってやはり進めていくことが、まさに豊島区の特色といいますか、豊島区ならではのというような形になっていくのではないかと思っておりますので、今後とも本当に、生んだだけに、それをしっかりと育てていくという気持ちを強く一緒に持っていきたいと思っております。よろしくどうぞ。
○辻薫委員 ありがとうございました。