決算特別委員会 第5日 教育費10月16日

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1.学校図書館の図書費

○辻薫委員
辻薫でございます。一番時間的に午後眠い時間だと思いますけれども、ちょっと体操をしていただいて、改めてお願いいたします。
私の方からは、教育費について質問させていただきます。1つは学校図書館の図書費について質問をさせていただきます。
成果報告書で188ページになると思いますけれども、実際にこれがこの図書費としてどの程度使われているのかよくわからないので、できれば過去3年間の図書購入費の1校当たりの予算額、どのように推移しているのか。また、この平成18年度の予算額、23区に比べてどの位置にあるのか。この点につきまして、最初、お聞きしたいと思います。
○藻登知学校運営課長
図書費につきましては、先程申し上げましたように、学校の運営のために使います配付予算というのがございます。その中にも入ってございますが、本区では、もう14、15年経ちますが、それ以外に図書の拡充経費という形で、1校、今年度、それから昨年度同じ額ですが、小学校については22万円、中学校は37万円。そういう形で、年度年度に拡充経費で付けて、各学校の方に配付をしてございます。
あと、23区の状況でございますけれども、この拡充経費だけをちょっと見てみますと、実はある区では、私ども、この22万円拡充経費で小学校、お話し申し上げましたけれども、ある区では300万円、約400万円弱というところもございます。そういうことで、ちょっと見てまいりますと、23区中、本当に下の方になってございます。
○辻薫委員
400万円というのは、1校に対してですか。

○藻登知学校運営課長
1校です。370万だと思いました。

○辻薫委員
相当な下の方だということで、具体的に何か。

○藻登知学校運営課長
すみません。ちょっと舌足らずなご答弁で、申し訳ございません。
一番多いところは約370万、あとは100万円台。それで、私ども22万円ですけれども、実は下から2番目でございます。

○辻薫委員
ちょっと私がお聞きしたのは、この間、地元の要小学校の授業参観に行ったときに、たまたま小グループの学習を図書館でやっていまして、ちょっと図書の状況を見たんですけれども、かなり古いものが多くて、ちょっとお母さん方にその後聞いたら、補充として、これはリサイクルという方向からやっているんでしょうけれども、卒業の6年生に対して今年は置いていってもらったというぐらいで、工夫されているというお話を聞いたにしても、かなり厳しいかなという、見てですね、状況だったんです。この辺の実態はご存知でしょうか。

○藻登知学校運営課長
私ども、学校へ行きますと、必ず図書館を見て回ります。確かに各学校とも古い本が多うございます。ただ、各学校とも、私どもが配付をしております予算と、それからPTA等からの寄贈などを交えながら、当然、本当に古くて、学校でなかなか使いにくいとか、使えないというものについては一応廃棄をしながらやっているということでございますけれども、ただ、全体的にはちょっとやっぱり古い本が多いかとは思います。

○辻薫委員
やはり物語等はいいと思いますけれども、調べ学習や何かで使う資料ですね、これはやっぱり最新版を用意しないと、これはやっぱり児童にとっても間違った情報が入っていくということで、その辺のところのやっぱり早急な整備が必要じゃないかなというふうに思っております。
子どもの図書活動推進計画の中にも、データベース化という話がありまして、この目的は、もちろんそういった調べ学習について検索を速くしていく、また確実にしていくという目的があると思いますけれども、1つはやはり各学校でどういう書籍が置かれていて年度がどうなのかということも、データベース化することによって把握ができますし、やはり学校によって差があってはならないと。他の学校は私見ていませんけれども。特にそういうことで感じましたので、この辺のことも含めて、そうであれば、来年度というか、今後の取組みということで、どのように考えていらっしゃるかお聞かせください。

○藻登知学校運営課長
今、委員の方からデータベース化というお話が1つございました。もう既にやっている学校もございます。まだ少のうございます。それから本区では、特に図書館と連携いたしまして、そういう調べ学習のための本を図書館の方から持ってきてそれを使うとか、あるいは、ここはそれでちょっと目につくことなんですが、実は学校に伺いますと、その年に買った新しい本、あるいは調べ用のそういう辞書類というんでしょうか、そういう本は廊下等に置いて、子どもたちが「ああ、こういう本が入ったんだ」ということで、それを借りていくとか、様々な学校では工夫をしてございます。私どもといたしましては、ある区の大幅な金額をというふうには思いませんけれども、先程学力という話もございましたけれども、読書というのは非常に重要なことだというように私は思ってございますので、できれば、この充実経費を少しずつでも他の区に近づけるような形で一応増やしていければというのが、私どもの率直な思いでございます。

○辻薫委員
私どもの会派でも何度か、高橋議員が一般質問でも、この図書の充実ということで話させていただきました。今、改めてその重要性を訴える必要はないと思いますけれども、やはり最高の環境をつくっていくという意味で、この図書の部分について、ぜひ拡充、また整備をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

2.特別支援教育
次に、特別支援教育について質問をさせていただきます。
平成18年度は、この推進事業ということで、モデル校を2校設けて実施したと思いますけれども、そこの実施状況と、併せて、この平成19年から特別支援教育、一斉にスタートをしたと思いますけれども、この辺の状況をまずお聞かせいただけますか。

○朝日教育指導課長
モデル校2校は、特別支援教育の要となる特別支援教育コーディネーターが中心となって、学校の中の支援を必要とする児童の発見、それから対応についての組織的な体制をつくりました。そして、個別支援シートというものをつくり、必要に応じ、巡回指導員等の専門家の力を借りながら、特別支援教室という別室指導をやる子もいれば、あるいは教室の中で適切な指導を、担任とともに改善していくということでやっているところでございます。
その成果と申しますと、学校全体で特別な支援を必要とする子どもたちを発見する率が非常に高くなってきて、実はこの子もこの子も支援が必要ではないかということが、逆に各学校から出てきて、そうした意味では、19年度、全校でコーディネーター、そして校内支援体制を拡充し、進めているという状況でございます。

○辻薫委員
それで、私もちょっと一部聞いていまして、このコーディネーターのあり方というか、現在、知的障害者が中心になっているクラス、固定級ですね、この固定級の担任の先生がコーディネーターをされている学校もあるということで、非常にその先生に負担が行っていて、いわゆる実際に受け持っている固定級の生徒たちに時間がなかなかとれなくなったというようなこともちょっと聞いておるんですけれども、このコーディネーター自体の、今後、ずっとそういう固定級である学校であれば、そのまま引き続いてやるとかというような計画というか、どのようになっているかをお聞かせください。

○朝日教育指導課長
特別支援教育コーディネーターは、校長が指名する者でございます。特別支援学級のいわゆる固定学級の担任、あるいは通級指導学級の担任は、そうした専門的な知識・対応力があるということで、文部科学省も、導入に当たっては、そうした専門性を十分活用するようにという指導があったことは事実でございます。ただ、校長が指名する中で、むしろ通常の学級の担任がやるべきではないかと言う校長もございます。本区におきましては、全体で4名が特別支援学級の担任がコーディネーターをしておりますけれども、それぞれの持ち味が出されて学校が機能していくということが趣旨でございますので、もしそうした過重負担であれば、それはそれで学校の中で課題を解決していっていただきたいというふうに考えております。

○辻薫委員
そうすると、やはり他の担任の先生も含めて、学校全体でそういう特別支援教育というものを考えていくというようなことになるんでしょうか。

○朝日教育指導課長
ご指摘のとおりでございます。専門家に任せるというのが特別支援教育の趣旨ではございません。通常の学級の中で、LDやADHDの子どもを含めて支援が必要だという発想に基づいて、全ての人がそうした児童・生徒を理解し、適切な教育を行うと。そういうことで、学校教育法の改正も、18年の4月に、全ての幼、小、中、高で行うべきであるということが明示されたということですから、その方向で今後も進めてまいりたいと思っております。

○辻薫委員
わかりました。それと、巡回指導員が3名ですか、今、回っていると思いますけれども、その回っている成果とか情報とかありましたら、お聞かせください。

○朝日教育指導課長
おかげ様で今3人の巡回指導員が引っ張りだこということで、非常に課題を発見する能力が各学校は高まっておりますので、うちの学校に来て、できれば、本音を言えば毎日来て、個別指導をやって担任と協力してほしいと、そのぐらいの要望がここのところ出ておって、うれしい悲鳴を上げているところでございます。ですので、そうしたニーズには十分応えていきたいとは思うんですけれども、ここで、先程も申しましたように、専門家に任せるのでは、一時の緊急対応であると。最終的には通常の学級の中で、その子が担任の配慮のもと、あるいは周りの子どもたちと適切な関わり方をお互いが学ぶ中で力を発揮していくということが目的ですので、今はある一定の期間を区切って派遣をしながら、巡回指導員を活用していただくと。そうした実態でございます。
○辻薫委員
質問の最後にしますけれども、今おっしゃっていたとおり、やはり一番大切なのは、今、このいわゆる支援が必要な児童をいかに発見していくかというのが1つ大きな問題なのかなというように思っておりますけれども、それ以前、幼稚園であるとか保育園であるとか、またお医者さんであるとか、その辺の連携も含めて、今後の取り組みですね、また問題点含めて、最後にちょっとまとめてお話しいただきたいと思います。

○朝日教育指導課長
幼稚園、保育園、あるいは福祉、医療等、関係者が集まって、障害のある子どもの地域生活、それから将来の学校生活、社会生活を見据えた、総合的な支援体制をつくる中で子どもが成長していくと。それが特別支援教育の理念であり、進むべき道だと考えております。したがいまして、現在、幼稚園、保育園の子どもで、小学校に上がる段階で、関係機関が集まった、あるいはそういった情報を的確に小学校に結びつけるような就学支援シート、本区でもそれを今年から実施をする計画でございます。それを受けて、入学した小学校は、個別の教育支援計画と。学校だけではなくて、中には塾の先生、あるいは主治医、福祉関係の方と定期的に、その子をどうしていこうかということを、保護者の意見も交えながらやっていく、そうした教育を計画的に進めていこうと考えているところでございます。

○辻薫委員
ありがとうございました。以上です。