決算特別委員会 第4日 文化商工費・清掃環境費H19年10月15日

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1.文化商工費

○辻薫委員
おはようございます。私の方から文化商工費関係について質問させていただきます。
直接、項目的にはないんですけれども、先月、我が会派で、宮城県の登米市に参りまして、石ノ森章太郎ふるさと記念館の視察をしてまいりました。その報告も兼ねて質問させていただきますけども、石ノ森章太郎氏は、ご存じのとおり、登米市に生まれて、18歳で上京されて、赤塚不二夫、手塚治虫が住んでいましたトキワ荘に移り住んで、多くの作品を生み出しました。平成10年に亡くなられるわけですけども、その後もかなりのファンがいて、今でも、トキワ荘あたりにも来るという話を聞いておりますけれども、私ども区議員団が視察した折にも、この登米市側はかなり大歓迎していただきまして、行政視察研修ということで、記念館の館長並びに商工観光課の方だけではなくて、市議会の議長までも冒頭にあいさついただくというような形で、かなり力を入れているんだなということを感じました。
また、その記念館だけではなくて、生家も見せていただいたわけですけども、非常に保存もいい状態なのを見せていただきました。その館長の説明によりますと、この記念館自体は観光施設ということではなくて、あくまでも生涯教育のセンターでもあるということで、館長自身も教育委員会のメンバーであるという話を聞きました。実際に、石ノ森章太郎の常設展示場に入ってみますと、いきなり、トキワ荘の再現されたコーナーがございまして、あらゆる愛用された品物もあったわけですけども、特に私が目を引いたのは、その展示とは別に、宝物ということで、赤塚不二夫さんから提供されたというトキワ荘の水道の蛇口があったんですけど、こんなところに豊島区の品物があるのかなということで、非常に逆に驚いたわけですけども、そこで、改めてこの時点で思うわけですけども、1982年にトキワ荘が解体された当時に、また、それ以降もそうなんですけれども、今でこそ、この豊島区の文化資源と言われているトキワ荘について、当時のトキワ荘の維持をしていくとか、また、復元をしていくとかという計画があったのか、また、今現在、聖地に対する取組みという動きがありましたら、そこからまずお聞きしたいんですけども。

○栗原文化観光課長
ご指摘の登米市のふるさと記念館は私も視察をしてまいりました。委員ご指摘のように、トキワ荘が解体される際には、区としてもそこを区所有として保存できないかというような動きがあって、区の内部で、一応もんだという話は聞いてございますけれども、はっきり申し上げて財政との兼ね合いで、それを断念をしたと聞いてございます。
登米市のふるさと記念館は、委員ご指摘のように、教育委員会の所管でございます。当時、教育委員会の所管、郷土資料館におきまして、トキワ荘のヒーローたちというトキワ荘にまつわる資料等を調査して、2回ほど大きな展示をさせていただきました。
また、文化資源ということでございましては、私、前職でございますけれども、新しい中央図書館におきましては、トキワ荘のコーナーをつくり、また、これまで豊島区とご縁がなかった横山光輝さんのご遺族にも接触をさせていただき、新しいコーナーをつくるときにご指導いただいたという、そういう経緯がございます。

○川地生活産業課長
今、現在の動きをちょっと私の方から説明させていただきます。
今、商店街、ニコニコと二又を中心にして、トキワ荘が建っていた、今、日本加除出版という出版会社の敷地になっているんですけれども、そこに標識等々をつくれないかということで、商店街の方々を中心にしながら、どういう形にしようか、どういう形で運営をしていこうかというような話し合いが持たれていると聞いてございます。もし商店街の振興と絡めていただければ、私どもの補助、支援ということもあろうかと考えてございます。

○辻薫委員
わかりました。それで、今現在、この漫画というものがこれほど世界的にも注目されて、ただ、当時はやはりかなり漫画自体が子どもに悪影響を与えるというような、低俗な読み物ということで理解度が少なかった。昭和31年に、石ノ森さんがこっちに移ってきた時代は特にそうだと思いますけれども。このメンバーたちが必死に、この机に向かって、そして、そういった固定観念を覆そうということで、頑張ってこられて今日の漫画文化というものができたと思いますけども、私は視察を通して、この頑張った人たちを顕彰していくべきではないかなというのを思いながらも、今、豊島区が文化と品格を誇れる価値あるまちづくりということで目指す中にあって、改めて、この漫画文化という位置付けがどうなるのか、ここをまたちょっとお聞きしたいんですけれども。

○栗原文化観光課長
委員ご指摘のように、私どもも、トキワ荘というのは、今、池袋モンパルナスということで、画家とか彫刻家の方々が活動した地域が非常に全国的に注目を集めていますけれども、それに匹敵する文化資源だと認識をしております。私どもでつくらせていただいている豊島区のガイドには、トキワ荘のコーナーを載せさせていただいておりますし、豊島区のホームページ上も、インターネットにおきましても、文化観光の中にトキワ荘というコーナーをきちんと設けていますので、今後、そうしたところをより充実させまして、若い方とか、トキワ荘ってどこにあったんだという、地元の方でもだんだん増えてきているということがございますので、区といたしましては、地域の方々とともに、もう一度、この文化資源に焦点を当てて、育てていかなければいけないと考えてございます。

○辻薫委員
またちょっと視察した記念館に戻りますけれども、この記念館の目的自体も単に物を集めて展示するというだけではなくて、文化を継承して育成し、また、人々に教育普及をしていくという、インキュベーターというんですか、卵のふ化器というようなものですけれども、さらに、常に漫画文化の発信基地として機能することで漫画に関心のある人だけではなく、多くの人々を呼び込み、この記念館から地域全体への連続性が生まれ、地域の活性化につながり、起爆剤となることを目的としているとございました。
いよいよ来月には、豊島区で初めて区立の美術館が、熊谷守一美術館がオープンするということで、これも区民の文化の向上と豊かな地域社会形成ということで、寄与していくものということで位置付けられておりますけども、私は、今、出ました長崎アトリエ村、さらにトキワ荘、こういったものも巻き込んで、ある意味、世界的な芸術家を生んできたこの地域の発展、活性化という意味合いから、トキワ荘のそういった聖地、モニュメントみたいなことも考えられているようですけども、さらに提案ですけれども、空き店舗を利用した形でも何でも構いませんので、何かやはりもっと具体的に、今でもどんどん訪れているようですので、また、ホームページを見ると、もう聖地には何もないということで、寂しい一言で終わっているんですけれども、何かそこを起爆剤として、まちおこしというか、できないものかなと考えておりますけど、この点いかがでしょうか。

○川地生活産業課長
ご指摘のとおりだと思っております。私ども補助金を入れてモニュメントをつくると、それだけで終わると商店街の活性化につながらないと考えてございまして、それと一緒にイベントをしてもらう。委員ご指摘のように、空き店舗をいかに活用するかは、今、商店街は非常に死活問題といいますか、逆手にとって、そこをうまく活用するというのが非常に大きなキーワードになるだろうと考えてございまして、できればそこまで踏み込んで、例えば、トキワ荘の何かグッズを売っていくとか、あるいは、トキワ荘関連の何かをそこでやっていくとかということが商店街の中で出てくれば、非常にありがたいと考えますし、私どもも、できる限りのことはしたいと考えてございます。

○辻薫委員
わかりました。実は我々が視察に行って、あちらの方に逆に、さっきも言いましたけども、何もやっていないということで逆に驚かれて、もちろん、石ノ森章太郎さんだけではなくて、数々の巨匠と言われる、手塚治虫さんだとかがいた聖地で何もやっていないのはどうなんだということで、ちょっと発破をかけられまして、私たちも驚いた次第なわけですけども、ぜひそういった意味で、固定観念を覆すぐらいの力のあった人たちの、そういうパワーをぜひ豊島区にも継承していく必要があるんではないかなと、私は思っておりますので、そのプロジェクトチームなりを改めて、考えていただいて、ぜひ、取り組んでいただきたいと思っております。

○大沼文化商工部長
委員ご質問のとおり、トキワ荘を中心にして、また椎名町の駅、それから今の熊谷守一美術館、こうしたようなことから、あの地域全体のちょっとレベルアップといいますか、イメージアップというようなことも、今後、考えていきたいというようなこともございまして、今回の区議会初日の区長の所信表明の中にも、一部そういうことを触れさせていただくような所信がございました。そういうことを踏まえて、今後のまちづくりということ全体を通した中で、区の中にそうしたまず検討会を設置し、また地域の方々とご相談しながら、新しい地域ブランドというようなものをつくっていくような方向で、今後、考えていきたいと思っております。

○辻薫委員
ありがとうございました。私からは以上でございます。

 

2.商店街のふれあい施設整備事業

○辻薫委員
私の方から、先程、商店街振興策ということで出ておりまして、商店街の街灯についてお聞きしたいと思います。
1つは、商店街のふれあい施設整備事業の改修に関してなんですけども、平成18年度の実績は、成果報告書89ページと参考書220ページでわかったんですけれども、平成19年度に入って、今、当初予算では、3.7%プラスということでプラスされているんですけれども、現状、どの程度この建替えが行われているか、お知らせいただけますでしょうか。

○川地生活産業課長
先程申し上げましたように、事前に調査をかけて、大体、その予算を組んでいくということで、今のところ順調に推移しているということで、まだ、今から手をつけるところもあるんですけども、順調に推移するだろうと考えてございます。

○辻薫委員
地元の商店街でも、今回申請して、かなりのお金、3分の2が出るということで、喜んでいるんですけれども、実際、区の方として掌握している、全体の街灯数と、今後、改修が必要であろうと思われるこの数字は、押さえていらっしゃいますでしょうか。

○川地生活産業課長
実は、先程来、ちょっと言っていますけども、商店街の届け出制というのを導入しまして、装飾街路灯の数とか、それが、大体、やっとはっきりしてきたということがあるんですが、補助対象にしているのが今現在3,145基ございます。これは、実態の数字とはちょっと違いまして、アーケードとかアーチ、この辺は換算してやっていますのであれですけど、大体、3,150基ぐらいあるだろうと今考えてございます。
一方、今後、建替えが必要なものというのが、今のところまだ調査ができていません。というのは、今回設置の年月日と改修年月日、その辺を届け出で書いてもらっているんですが、その辺のまだ集計作業がなかなかできないというのと、とりあえず、今の補助体系からいいますと、つくって10年以上を対象にしましょうと。改修してまた5年を対象にしましょうという言い方をしているんですが、そうも言っていられなくて、今現在の状況を言いますと、危ないところは、早急にやるというようなことで説明会では申し上げているところでございます。

○辻薫委員
私の地元でも、この5月にある商店の方から街灯の下が穴が空いちゃっていて、これは危ないのではないかというので、地元の商店街に話しして、至急、改修していただいたわけですけれども、いろんな、犬がおしっこをかけるとか、そういう原因だということなんですけれども、やはり、今、商店街の振興という中で、安全対策という意味でも、私は早急に、この建替えをする必要があると思っておりますけれども、まず、この改修の補助費の中にそういう点検作業というか、点検の費用というのは含まれているんでしょうか。

○川地生活産業課長
今現在の補助体系の中には入ってございません。ただ、先程から委員おっしゃっているように、その辺が非常にわかりづらいといいますか、今まで10年を超えればちょっと危ないよという言い方は、犬や猫のおしっこ等々考えられない状況も出てきて、結構早く腐食するというようなことも聞いてございます。その辺で非常に安全点検というのは非常に重要だろうとは、認識をしております。

○辻薫委員
実際に、この申請するに当たって、固定資産台帳というんですか、私もいただきましたけども、実際に何年に取得して修理してというのは、かなり調べるのにも時間がかかったりというので、もう、履歴も上がらないというようなところもありまして、これに手間どっていて、改修ができないということもございます。ただ、私はやっぱり安全、防災の観点からも、その辺は、どこがチェックするか問題なんですけれども、至急に、これは取り組まなければいけないということで思っておりますけども、いかがでしょうか。

○川地生活産業課長
今現在、商店街の活性化計画というものには補助が当たるというような形になっているんですが、考えてみると商店街装飾街路灯というのは、非常に大きなシンボライズされたものであるだろうと。そこを当然、改修計画をつくっていくのも当然だろうと思っておりまして、その辺と絡めて、何か補助の対象にしていく、対象にならないかというようなことをもう1回、検討してみたいと考えてございます。

○辻薫委員
ぜひ、早急にお願いしたいと思います。
もう1つ、商店街の街灯の維持補助費ということで、この点も成果報告書の88ページ、参考書の219ページに書かれているわけですけれども、年々、下がっているということで、これも定額制になっていまして、多いところ、少ないところということで、定額の扱いになっているんですけども、実際に、1つの商店街の会費収入を見ますと、商店街の会員数が5年前では38名だったのが25名に今なっているということで、かなり激減していて、会費もなかなか集まってこないという中にあって電気料金は変わらないわけですね。というのも街灯数は変わりませんので、この辺が、非常に困窮をされているところなんですけれども、そういう意味でここのところをもう一度補助の見直しというか、地元の商店街なんかもそういうふうにおっしゃってはいるんですけども、何か工夫できないのかなということで、この点いかがでしょうか。

○川地生活産業課長
実は、装飾街路灯のその補助に関しましては、私どもも、3カ年かけて下げてきたという状況がございますけれども、できれば街路灯自体の補助率を何とか持ち上げていきたいと。というのは、今さっきも申し上げましたけれど、装飾街路灯というのは公道に商店街が設置をして管理をしていくわけでございますけれども、はっきり言えば、防犯、安全、この辺にも非常に寄与すると。ましてや、まち全体の明るさにもつながっているという認識を持ってございます。今、委員おっしゃったように、例えば今現在の定額法というやつは、街灯1本につき幾らという形で計算していくわけですね。そうすると、街路灯が多いところもあれば少ないところもある。実際の電気代に対しての補助額もばらつきが非常に出てきているということもあって、できれば、定額制ではなくて、電気料を実績に見合った補助率みたいなものを考えられないかということで、実は、今、検討をやっている最中でございます。

○辻薫委員
今現在、私が計算するには、大体電気料として、25%ぐらいなんですけども、大体どのぐらいにできるかという数字が、今、言えますでしょうか。

○川地生活産業課長
大体そこが平均的なところだと思います。今現在は、18年度ベースで計算していってみますと、23%の補助率、実際の電気料に対するその補助率が23%程度ということでございまして、他の自治体といいますか、22区なんかを見ていても、定額制と定量制、いろいろ方法あるんですけれども、率としては、かなり低い方に入るだろうと考えてございます。
また、商店街にとっても電灯料、電気料というのが非常に重荷になっているということもよく聞きます。よく商店街の方はおっしゃっているんですけど、我々の条件としては、昼夜つけることという話になっているんですが、12時間つけろと。12時間つけると6時間は商店街のためについているかもしれないけども、6時間はみんなのためだろうというような意見もございます。その辺も加味して、できるだけ早く、ある程度、23%を持ち上げていきたいと。できれば当面の我々の目標としては30%ぐらいを目指してみたいなということです。ちょっと低いよという話かもしれませんけど。

○辻薫委員
30%という数字をいただいたので私は満足は少ししましたけども、いずれにしても、先程の改修とともに、これは本当に商店街にとって死活問題になっている部分もあるのかなと思いますので、早急な手当てをお願いしたいということで、私からの質問は以上です。