平成21年 決算委員会文化商工・教育費
2009年10月 15日
アレルギー対策など学校給食の安全を図れ
辻薫委員
私からは、学校給食について、特に食物アレルギー対応につきまして伺いたいと思います。
昨年の5月に学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインが策定されました。このことを受けまして、昨年の第3回定例会で、私は一般質問の中で各学校の状況を的確に把握して、ガイドラインの定着へ向けて取り組んでいただくようお願いいたしましたけれども、そこでまず教育委員会として、この1年間の取り組みにつきまして、どのようにされたかお聞かせいただきたいと思います。
鈴木学校運営課長
アレルギー疾患に対する取り組みガイドラインにつきましては、昨年の5月に各学校へ配付したところでございますが、それに引き続きまして校長会等で周知をした上で、都の教育長が中心になりまして、取り組みガイドラインの活用に向けてという検討結果が出ましたので、それも含めて再度、校長会において説明をしたところでございます。また、実態把握ということで、アレルギー疾患の対応状況とエピペン、アドレナリン自己注射を処方されている児童・生徒の調査をしたということがございます。また、7月になりますが、アレルギー疾患対応研修ということで都の研修がございまして、学校から研修に参加をしているという状況でございます。
辻薫委員
今回のガイドラインでは児童一人一人に対する掌握をしていくというために、学校生活管理指導表というのが策定されまして、これを区においてはどのように活用されていますでしょうか。
鈴木学校運営課長
学校生活管理指導表でございますけれども、学校においてアレルギー疾患対応をする場合に、これまで医師の診断書に基づきということで対応をしてまいりました。今回新しいガイドラインができたということで、順次生活管理指導表に移行するということで、学校現場には現在併用という状況で使用しているところでございます。
辻薫委員
わかりました。医師の診断書と併用ということで、これが一つの大きな今後の対応策のポイントになるかと思いますけれども、それで本区におきましては、学校給食における対応は除去食ということで伺っておりまして、その他も含めていろいろ細かく対応していただいていると伺っております。そういった意味で今、小・中学校における対応状況と、またあわせて対応児童・生徒数についてお聞きしたいと思います。
鈴木学校運営課長
アレルギー対応の原則ですけれども、委員がご指摘になりましたように除去食が原則となりまして、対応が可能な場合には代替食を提供するという2本立てになっております。小学校におきましては、除去食のみ対応が7校、代替食のみ対応が1校、除去食及び代替食の両方が対応可能であるというところが15校という状況でございます。また、同様に中学校におきましては、除去食のみ対応が4校、除去食と代替食の両方が対応可能であるという学校が4校という状況でございます。
また、対応の児童・生徒数でございますが、小学校では全体144名、中学校では58名ということでございますが、アナフィラキシーショックの可能性のある児童ということで調査をいたしましたところ、小学校では144名のうちの27名、中学校では58名のうち7名、合計34名がその可能性があるという調査結果が出ているところでございます。
辻薫委員
やはり202名、結構多い人数の方が対応されているということなのですけれども、特に今、話がございましたアナフィラキシーショックの可能性がある児童・生徒の中には、昨年も触れましたけれども、ショック症状の中で30分以内にアドレナリン自己注射、エピペンを打たなければ死に至るということでございます。そこで、本区においてエピペンの処方を受けている生徒が何人いらっしゃいますでしょうか。
鈴木学校運営課長
エピペンを処方されている児童・生徒数でございますけれども、小学校で4名、中学校で1名、合計5名ということで調査の結果となっております。
辻薫委員
それで、エピペンにつきましては、基本的には本人が使うということで、処方のときに本人によく説明があって使うようになっているんですけれども、ただ、いざアナフィラキシーショックが起きた場合に本人の意識がなくなって自分ではできなくなると、こういった場合に代理注射ということが行われるわけですけれども、今回のガイドラインでは法的な問題点が整理されて、アドレナリン注射が自らできない場合には教職員が注射するということで、これについては医師法や刑法等には触れないという画期的な見解が出されたわけですけれども。そこで、私が昨年質問した段階では、教育長からは、アドレナリンの代理注射については結論が出ていないと、今後の東京都、教育庁における連絡会での検討状況を踏まえて、本区での対応についてもできるだけ早く具体化していきたいという見解をいただきました。1年経過したわけでございますけれども、都の連絡会等で検討結果が出ていると思いますけれども、教職員等による代理注射につきましては、本区としてどのような見解を出されたのか伺いたいと思います。
鈴木学校運営課長
先程申し上げましたように、東京都で取り組みガイドラインにつきましての活用に向けての検討会議というのがございまして、結論として救命救急措置としてのアドレナリンの自己注射の教員の注射行為については医師法に違反しないという見解でございますので、委員がおっしゃったとおりの方向で進むということでございます。先程も申し上げましたけれども、アレルギー疾患対応研修ということで7月に東京都が実施したものにつきましては全体で二十数名の参加をいたしまして、エピペンが処方されている学校からも必ず参加ということで、エピペンを実際に見てどのようなものかということを確認する実践的な研修だったと聞いております。
辻薫委員
そうですね、やはり法的な整備ができたとしても、実際に見て、そういう研修を受けなければなかなか難しいと思っておりました。そういった意味で、アナフィラキシーショックの可能性のある児童・生徒にとっては、本当に食べることは生きることであり、死ぬことであるという、前にもお話しさせていただきましたけれども、保護者の悲痛な叫びも聞いたことがございまして、こうした本区の取り組みにつきましては保護者にとっても大変な喜びだと思いますし、何よりも児童・生徒が安心して学校に通えるようになったというところでは最大の私も喜びだと感じております。
そろそろまとめになりますけれども、自校方式による給食調理委託というのが今年度全区立小学校で実施されましたということで伺いました。こうした食物アレルギーに対応する体制もきめ細かく、本当に私立学校ではできないようなこともやっていただいているということで、私も評価しているわけでございます。また、現在、新型インフルエンザにおけます生徒数が急に少なくなったり、そういったところで大変苦労されているということで伺っておりまして、そういった意味で、最後になりますけれども、完全に委託された給食に対して、今後本区としてどのように取り組んでいかれるかをお聞きして終了したいと思います。よろしくお願いします。
鈴木学校運営課長
ご指摘のとおり、今年度最後の直営校を委託いたしまして、31校全部民間委託ということで足並みがそろった状態、状況でございます。民間委託とは申しましても学校の栄養士がつくった献立を調理師がつくるということで、民間丸投げという形では絶対ございません。これまで給食については豊島区は高い評価をいただいておりましたので、今後の課題といたしましては、給食の質をいかに維持していくか、あるいはそれとともに民間委託によるコストをいかに抑えていくかということで、安全でおいしい給食を安く提供するという3つの目標を同時に満たしていくというのが今後の課題になるかと思います。引き続き、アレルギー対応につきましてはきめ細やかな対応をしてまいりたいと考えております。