平成21年 決算委員会・介護保険会計

2009年10月 16日

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介護ライブラリーなど家族介護慰労事業の充実を

辻薫委員
よろしくお願いいたします。私も介護保険事業に関して、特に家族介護の支援策について伺いたいと思います。
最初に基本的なことなんですけれども、決算参考書の434ページにございます家族介護慰労事業経費、これについて内容がいまいちわからないところがございますので、また財源構成も含めてお聞かせいただきたいと思います。

山澤介護保険課長
ご質問にございました家族介護慰労事業でございますけれども、こちらにつきましては要介護の4または5の方で介護保険サービスを1年間利用していない等の要介護者を介護している家族に対して、慰労金として年額として10万円を支給しているものでございます。
財源構成でございますけれども、こちらは介護保険の中の地域支援事業という事業に位置付けられてございます。任意事業でございますけれども、それによる財源構成になってございまして、国の負担が40.5%、都支出金が20.25%、それから区の持ち出しが20.25%、残りの19%が保険料という形で成り立っているものでございます。

辻薫委員
そうしますと、区の持ち出しも少ないというか、そういった意味ではもっと周知していただきたいなと思うんですけれども、実際にこの利用されている方というのは人数的には何人なんでしょうか。

山澤介護保険課長
20年度の利用者の方は2件2名でございます。今年度は、既に3名の方がご利用いただいているところでございます。

辻薫委員
確かに要介護4、5でこの介護サービスを受けていない方というのはなかなかいないのかなと思うんですけれども、実際にどういった方がこの受給をされているんでしょうか。

山澤介護保険課長
今、委員のお話がありましたとおり、要介護4、5となりますとこれは相当に重たい方になってまいりますので、なかなか介護保険サービスを利用しないでというのは本当に大変なことかなと思っております。
ただ、その中でも例えばご家族の方がそういうことにたけている方やニーズ的な問題もあろうかと思います。また、もしくは私どもの区で受けている方がそうだという意味ではないんですけれども、中には介護保険を利用したくないというような、ご家族の中でやりたいという、そういう気持ちをお持ちの方もいらっしゃるということも聞いたことがございます。いずれにいたしましても、何らかの形で介護をできる方がいらっしゃる方なのかなと認識してございます。

辻薫委員
わかりました。そういった意味では、もう少し周知してもいいんじゃないかなと思っております。
もう1つ、今回の3日目の福祉費でも私は老老介護についてお話しさせていただきました。ただ、介護者については年齢に関係なく大変に困っていらっしゃるということで、例えばこういう話を伺いました。奥様が介護を受けていらっしゃって、ご主人がずっと介護されているということで、4年間されていたわけですけれども、本当にくたくたになって大変だということで、国はなかなか難しいかもしれないけれども、豊島区はせめても介護者に優しい区にしてもらいたいという声がございました。
また、平成20年度の介護保険アンケート、これも見させていただきましたけれども、その中で介護者が一番困っていることというのが、やはりストレスがたまっているということでございました。
そこで、これは平成21年度の事業でございますけれども、リフレッシュを目的にスタートします介護保険ライブラリーについてなんですけれども、事業内容は大体わかりますので、実際にいつから開始されるのか。また、中には音楽のCDとか映画のDVDということで貸し出すようですけれども、民間でもやっていることでございますので、民間にはないこの特徴というものを教えていただけますか。

山澤介護保険課長
今年度の新規事業でございますDVDライブラリーでございますけれども、まさに今、委員の前半のお話でいただきました高齢化が進む中で、受けている側だけではなく介護をしている人が非常に心のゆとりがなくなってくるという、そんな声が聞こえてまいっております。昨年、介護保険事業推進会議の中でもその辺のことが大変話題になりまして、私どもはそれを受けて今年度の新規事業としてライブラリーを行うということを決定したわけでございます。実施は11月11日が、実は厚生労働省が定めております介護の日、いい日いい日で介護の日というのを定めてございますけれども、その日に併せまして、実は11日自体は他にイベントを予定しているものですから、12日からご利用に供するような形で今計画を進めているところでございます。
それから、後段のご質問でございますけれども、中にそろえるDVDやCDにつきましてはあくまでこれは対象者の方のニーズに沿った、またいやし系のものとか、それから若い人向けということではなくて、あくまで年齢層の高い方、そういう方々が喜んでくださること、それから介護保険のやはり情報の発信というのも非常に私どもは重要だと考えてございますので、そういう趣旨から今商品の選定を進めているところでございます。

民間との違いという部分で、その商品の選定が、いわゆる例えば最近公開された映画をそろえるとかそういう営利的な部分から入っていくのではなくて、先程申し上げましたように高齢の方々が昔見たような映画とか、いわゆる今はやっているものをそろえるのではなく昔見たものとか、それからいやしということを考えたときに例えば景色とかそういういやし系の音楽とか、そういうものから商品の選定を行っていきたいと考えてございます。

辻薫委員
わかりました。
今、併せて、いい日いい日ということでそのイベントなんですけれども、私のもとにも橋幸夫さんが今度来られるということでお聞きしまして、なぜ来られるようになったのかも含めて若干手短に説明していただきたいと思います。

山澤介護保険課長
私どもは昨年から厚生労働省が定めましたこの介護の日について、何らかの形で普及啓発を行う事業を行いたいとずっと考えておりました。そんな中で、この橋幸夫さんは非常にもう著名な方でございます。レコード大賞受賞曲、私が申し上げるまでもなくヒット曲を多数持っていらっしゃる一方で、ご自分の親御さんを介護された苦労を身にしみて感じられて、それを機会に出版物を行ったところこれがベストセラーになったというようなお話をお伺いいたしました。それを聞きまして、私どもといたしましてはぜひその介護の日のイベントに橋幸夫さんをお願いできないかなと考え、お願いしたところでございます。

辻薫委員
もう最後まとめますけれども、この介護ライブラリーにしても橋幸夫さんの講演にしても、私はやはりどう本当に介護されている方をいやすために伝えていくかということが非常に大事かなと思っております。やはり意義づけが非常に大事だなと思います。1つ1つの事業が成功するにも、単にライブラリーということではなくて何のためにこのライブラリーをやっていくのか。また、内容も含めていろんなパンフレットを用意していただくとかということが必要であろうかと思っております。
また、今、なぜ橋幸夫さんかと話したんですけれども、実際に豊島区に縁があるということで、道和中学校出身でしょうかね、私もそういうことも聞いておりましたし、そういった意味では関係があるとかそういったところでこの参加者も増えてくるんじゃないかなと思っております。そのことが残念ながらチラシには載っておりません。そういった意味では、そういうところも入れながらぜひ成功して、丁寧に1つ1つの事業を実施していただきたいと思いますけれども、この点いかがでしょうか。

大門保健福祉部長
 介護者支援ということについては、これは全国的にもやはり非常に弱いということが課題になっております。そもそも介護保険制度が発足したときには、介護の社会化ということで要介護の方を支えるだけではなくて、やはり介護者自体も支えていくという理念だったかと思います。ところが、全国的にもやはりそういった視点がやや抜け落ちている部分がございますので、今回保健福祉部でこういう事業を立ち上げて、これをきっかけにして、やはり介護者支援についてもできる範囲で充実を図っていきたいなと。
併せて、それが介護者にこういった事業をやっているということを行き渡るように、今ご指摘の点も踏まえてさらにPRの強化に努めてまいりたいと考えております。