平成28年決特委員会 環境都市整備土木  辻薫(10月 3日)

①高齢者の入居支援、賃貸保証機構

○辻薫委員  会派の質疑の最後になりますので、どうぞよろしくお願いします。

 午前中も取り上げられましたけれども、私からは住宅施策につきましてお聞きしたいと思います。事業の状況とあわせて若干の提案もさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 最初に、成果報告書281番の高齢者等の入居支援事業経費について、まず事業概要とともに27年度の実績につきまして報告をしていただきたいと思います。

○小池住宅課長  高齢者の入居支援事業でございます。こちらにつきましては、大きく3点ほどございます。まず1点が、住宅情報の提供ということでございます。こちらについては区と宅建、あるいは全日本不動産協会と協定を結びまして、高齢、障害、あるいはひとり親、そういった理由に入居を拒まない不動産協力店というものをリスト化して、窓口のほうで相談者に応じて情報提供をしているものでございます。それから、もう一点が身元保証制度ということで、区、あるいは国、東京都、それぞれが家賃債務保証の制度がございます。そちらの連帯保証人がいない場合に保証会社の保証を使っていただく、その際の利用助成をするというものでございます。それから、ことし4月から始めたものでございますが、賃貸保証機構というところと協定を結びまして、不動産回りを一緒にしていただく同行サービスというものをしてございます。利用実績でございますが、保証制度のほうの利用費の助成につきましては、昨年度1件の実績となってございます。

○辻薫委員  確かにこの執行率を見ても2%ということで、非常にちょっと寂しい事業になっちゃっておりますけれども、今もお話が出ました、また、さきの一般質問で中島議員からもお話しさせていただきましたけども、今回新たな、28年度としては同行サービスということで、一緒に本当に困っている方と歩いていただいて不動産を探していただくということもやっていただいております。ここに出ています賃貸保証機構というのがありますけども、これはもともとどういう目的で設立されたものなんでしょうか。

○小池住宅課長  こちらの賃貸保証機構というところでございますが、もともとは保証会社4社が構成をしている団体でございます。保証会社というのは、とかく家賃が滞った場合にそれを保証するということなので、どうしても目先が大家さんのほうに向いておりますが、そういったいわゆる自主ルールをつくりながら、一方では入居者擁護のための、いわゆるその社会寄与活動としてこうしたものを、入居者の安全・安心の確保ということを目的に立ち上げられた団体でございます。

○辻薫委員  それで28年度は実績も出ているということで伺っていますけども、この保証料と、あとはこの同行サービスを利用した場合の利用料金というのはどんなような感じになっているんでしょうか。

○小池住宅課長  もともとこの同行サービスについては、全く費用が発生しておりません。利用者と賃貸保証機構との関係、あるいは区と協定を結んでいる関係での費用負担はなく、賃貸保証機構が全額費用負担ということでやっております。ただ、同行して保証会社との契約をする段に至っては、もし保証会社がひもづいていないということであれば、これは全く個人契約になりますけども、利用者の方とこの賃貸保証機構との間で保証契約がなされるというものでございます。

○辻薫委員  実は私もそういう相談を受けて、このサービスを利用するようにお話をしたときに、いろいろやっていただいたんですけど、ちょっと最終的には契約に至らなかったと、こういったことがございました。何件かは実績ありますけども、至らなかった理由につきまして聞きたいと思います。

○小池住宅課長  こちらのサービスですけども、この4月から始めまして、8月末現在で13件の御利用がございます。このうち契約まで至ったものが6件ということで、残り7件が契約には至っていないということでございます。その理由なんですけれども、同行サービスを御利用、最初はしたいということでお申し出いただくんですが、そのうち御自身のほうで不動産を回ってやはり見つけたいということで、このサービスを中断されるという方がほとんどでございます。

○辻薫委員  スタートしたばかりですから、またいろいろと試行錯誤になると思いますけども、日本賃貸住宅管理協会、実態調査をやったときに家主の約7割が高齢者の入居に対して拒否感があると、こういう調査結果が出ました。理由としては、家賃の未払いや居室内での死亡事故などへの不安、さらに死亡後の遺品整理に手間がかかることが挙げられています。確かに貸す側については切実な問題だと思います。しかし、本区としては、持続発展都市に向けた4本の柱のうち、高齢化への対応ということで、高齢になっても元気で生きがいを持って安心して暮らすことができるまちづくりを進めていくところでございますけれども、この住宅施策として、この課題を何としても解決しなきゃならないというふうに私は感じております。

 そこで、こうした課題について、例として、川崎市では全国に先駆けて居住支援制度を創設しております。市指定の保証会社が家賃の滞納や死亡時の退去などに係る金銭的な保証をします。利用者は月額家賃に共益費を加えた35%を2年分の保険料として保険会社に支払っています。保証会社が利用者から請求額を回収できなかった場合、これが大事なんですけども、市は保証履行額の2分の1を補助すると。保証会社が間に入ることによって、家主さんも安心して契約ができるようになってきたということで、こういう仕組みなわけでございますけども、この市ではさらに、この利用者が病気や事故に遭った場合には市や関係団体が見守り支援なども行うというふうにしておりまして、担当者によれば、地域で安心して暮らし続けるためには入居後の継続支援も欠かせない、こういうふうに語っております。今回のこの取り上げました入居支援事業経費につきましては、平成28年度事務事業評価ではBということで、改善見直しということになっておりますけれども、改めてこうした事例も踏まえて、本区としてもやはり取り組んでいくことが空き家対策、空き家というか空き室対策解消のためにもなってくるんではないかと思いますけど、この辺についてはいかがでしょうか。

○小池住宅課長  ありがとうございます。御提案いただいた川崎市のほう、ちょっと私のほうでも若干調べさせていただきました。特に保証会社と入居者のほうで債務保証の契約をしていただいて、そこに対して滞納、あるいは退去後の残置物、そういった処理を保証会社がするという契約なんですけれども、例えば御本人が亡くなってしまった、あるいは相続放棄をされてしまった、そうした場合に保証会社のほうが、要はもう回収することが不可能だということがあって、それは市のほうがその場合に限って2分の1助成をするというようなことで始めているようでございます。そうしたものもぜひ参考にしながら、豊島区のほうでは午前中も申し上げたんですが居住支援協議会、こちらも立ち上げて早くから活動しておりますので、そうした活動内容も一緒に考え合わせながら、なるべく高齢者の方が安心して住まいが確保できて、安定的に住み続けられるような施策を展開してまいりたいというふうに考えてございます。

○辻薫委員  居住支援協議会では、何かをつくってというような、ちょっとそういうイメージ的には出ていく中で、本当に困った方が生活して、そういう住居を探していくというところの取り組みについてもぜひ協議会の中で検討していただきたい。また、今言った福祉的な要素として困った状況についてはまた手を差し伸べるみたいな連係したプレーもあったと思いますので、ぜひここのことをお願いしまして、この質疑については終了させていただきます。