平成28年決算特別委員会(10月 5日)介護保険 辻①
第6期の介護保険事業・地域包括システム

○辻薫委員  私からは、第6期の介護保険事業につきまして伺いたいと思っております。
 平成27年度、第6期の介護保険事業計画の最初の年だったということで、介護は措置から契約になってから使いやすくなった反面、地域の手助けがなくなった、このようにも言われております。
 そこで、私たち公明党は、平成24年から地域包括ケアの構築ということや、また介護予防の推進ということを訴えさせていただきましたけれども、どのように取り組んでおられるのか、概要をお聞かせください。
○松田介護保険課長  平成27年度、16年目に入った第6期の当初の年ということでございました。テーマは、持続可能な介護保険制度ということで、それが計画でも、会計でもメインになっております。
 その中で、初めて介護の計画の中で、10年以上後である平成37年、団塊の世代が75歳になるところを見据えた計画をつくりなさいということで、3つテーマがございました。
 1つは、高齢者が住みなれた地域で生活を継続できるようにするために、介護、医療、それから生活支援、住まいの問題を充実させるということ、その中には認知症対策であるとか、介護予防、それから医療、介護の連携ということがありました。
 もう1つは、費用負担の公平化ということで、やはり多く高齢化社会が来るということで、その方たちにも必要な保険料を払っていただきつつ、制度の持続を可能にするために、御負担できるところは御負担をしていただこうということでした。同時に、低所得者への配慮ということで、保険料の国の軽減も行われておりました。
 もう1つは、平成27年から今年度、来年度に向けての3カ年の中で、地域支援事業ということで、地域の力を高めていくためにも、新しい総合事業に移行することというのが大きいテーマになっています。
○辻薫委員  そういったテーマが示されて、取り組んでいると思いますけれども、その中でサービス利用についてなんですが、サービス利用の率が伸びるというのは、区にとってもいいことなんですけれども、反面、この中には過剰なサービスもあったように感じております。区として、適正なサービスを利用するために取り組んでいることにつきましてお聞かせください。
○松田介護保険課長  やはりサービスについて、必ずしも多くのサービスをという場合ばかりでもございませんので、介護保険の場合もやはり医療と同じように、給付適正化計画というのをつくっております。その中で、幾つかの事業を必ずやってくださいということを行っていまして、医療と大分ダブるんですけれども、保険を使った中で、あなたのサービスはこのようにお使いになって、こういう費用かかっていますけれど、それで合っていますかということで、7,000人の方に年間御通知を差し上げています。
 それから、もう1つは、大きいところでは、ケアプランの点検ということで、介護保険課の事業者の育成指導する職員が、東京都の保険福祉財団のケアマネジャーと組んで、事業所を年間約8件伺いまして、その中でケアプランが適正に行われているか、過剰なサービスはないかということを見せていただいて、事業者の育成指導を図っています。
 それともう1つは、介護保険課の中で専門知識をお持ちのケアマネジャーの方を非常勤ということで入っていただいておりまして、その中で職員が適正にサービス給付が行われているかどうかの相談に乗っていただいたり、実際に適正な住宅改修であるとか、福祉用具が使われ方をしているかということで、家庭訪問を行ったりするということをしております。
○辻薫委員  さまざま取り組んでいただいて、いずれにしても区の責任というのは重くなっているんだと思っております。
 そんな中で、またことし第1回定例会では、小規模の通所サービスについて、区の地域密着サービスになるという条例を審議したわけですけれども、その中で今後、介護が必要になっても、住みなれた地域で生活できる、先ほどの話がありましたけれども、地域包括システムについて求められているんだろうなと思っていますが、その中で具体的な事業として、平成24年から24時間のサービス提供可能な定期巡回随時対応型のサービスを提供していただいておりますけれども、この状況についてお聞かせください。
○松田介護保険課長  本当に早い時期にこちらについて、豊島区では取り組ませていただいて、今3つの事業所が区内で営業していただいております。ただ、少し残念なのは、非常に私どもは、在宅生活を続けていく上で有効なサービスだと思っているんですけれども、利用者の方が余りふえなくて、3カ所で50人程度の方の御利用しかございません。
 幾つか課題があって、国でも思うように伸びないということで、報酬を上げたりとか、非常に厳しい条件がかぶっていたものを、事業者側の方へもそういう条件を少し緩和したりとかして、何とか広げようというところなんですが、なかなか御理解のいただけないところもあって、そこがちょっと厳しいところでございます。
 ただ、私どもは、当初率先して取り組んだように、これは非常に在宅生活を維持していく、特にひとり暮らしの方には必要なサービスだと思っていますので、もう少しふえていくように努力をしたいと思いますし、もう少しそれを地域のケアマネジャーさんたちにどれぐらい有効かということを御理解いただくために、今でも事業者連絡会に定期巡回をやっていただいている事業者さんに来ていただいて、皆さんが思うほど頻回に呼ばれることもないとか、それからデイサービスに行くと、その日の分、減算とかといろいろ制度があったのですが、そういうものも緩和をされているので、ぜひ組んでくださいということをお願いしているところでございます。
○辻薫委員  確かに事業者さんも様子見というか、負担をちょっと感じていたところが、実際そうでもないような状況を今お聞きしましたので、やはり地域包括ケアシステムを構築するに当たっては非常にポイントとなることで、区民の方が安心してそういう意味では、ひとり暮らしの方も安心して住み続けられるという非常に大事なポイントなので、ぜひ事業者へのまた理解も引き続きお願いしたいと思います。