平成24年決算委員会 文化商工・教育費 辻発言(10月18日)

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文化政策推進プラン

○辻薫委員  また、西部地域複合施設につきましては、平成22年3月に策定されました豊島区文化政策推進プランに位置づけられております。まず、この推進プランの概要について御説明いただきたいと思います。

○八巻文化デザイン課長  区は、平成16年、豊島区の文化政策に関する提言を受けました。17年の文化創造都市宣言及び18年の条例も踏まえまして、文化を基軸としたまちづくりを区民の皆さんとともに進めているという基本の指針を示すことを、こちらのプランは目的としてございます。

このプランの内容は1章から8章までとなっておりますが、先ほど御案内のとおり西部複合施設もこのプランの中に入ってございますし、アートステーションといったシンボルプロジェクトもこのプランの中に入っております。ですので、プランに沿って施策を実行しているという形でございます。

○辻薫委員  わかりました。そのプランの話でございますけれども、平成22年度を初年度ということで、10年間をプランの対象期間と。おおむね5年をめどに見直すということで伺っておりますけれども、見直しの中間期の時期に来ているということで、それでは、これまでの豊島区における文化施策全体、これをどう評価して新たなプランを策定していくのか。さまざまな環境の変化ということもあったと思いますけれども、この点についてお聞かせください。

○八巻文化デザイン課長  御案内のとおり、文化施策を評価するというのは大変難しいというふうに考えております。施策を実行したり、事業を実行したときに、どれぐらいその効果があらわれるかというのは、数値ではかりづらいというふうに認識しておりますが、中長期的な視点でその効果を検証していかなければならないというふうに考えております。

また、このプランをつくるに当たっては住民意識調査というのをやってございませんので、改定に当たっては区民の皆さんが豊島区の文化施策、また文化施設に関してどう感じているかというのを調査したいなというふうに考えております。全国的な流れといいますか、アーツカウンシルというふうに言いまして、評価をして、そこに予算をつけるというような形で、文化施策についても評価をして次の施策に進めるというような考え方がイギリスあたりから入ってきまして、東京都のほうはもうそれに向けて準備をしているということですので、その時代の流れといったところからは文化施策も評価をされるというようなことになっていくというふうに思っております。

ですので、ことし80周年を迎えて2月の15日には文化政策のシンポジウムをやろうと思って計画してございます。その中で今まで提言を受けてからの10年間の施策、そしてこれからどんなふうに進めていくのかというのを振り返っていきたいなというふうに考えております。

○辻薫委員  大事な視点だと思いますので、その辺の評価、確認させていただきました。

最後になりますけれども、本区の文化政策の意義として、文化的活動の活性化を通じて人々が生き生きと快適に暮らし続けることのできるまちづくりを実現する取り組みとして展開していくと、こういうふうに記載されております。これからあらゆる総点検をしていく中で、さまざまな費用的な問題もあると思いますけれども、どのようにこの文化政策を進めていくのか、この点につきまして御見解をお聞かせください。

○吉末文化商工部長  今後の文化施策ということでございますが、1つに、地域には歴史資源、文化資源がございます。これを再発見、再評価することによりまして、新たな文化価値の創造につなげていく。これが非常に極めて大切かなと考えてございます。

また一方では、平成21年の1月には、文化庁から文化芸術創造都市部門で表彰された、そういうような経緯がございます。これは札幌市や横浜市、金沢市と肩を並べるような状況となってございます。昨日も文化フォーラムの104回目が行われましたが、元フジテレビのアナウンサーの小林大輔さんがいらっしゃいまして、こんなに文化レベルの高い政策を行っている自治体は見たことがない、そのようなお言葉をいただいてございます。

私どもといたしましては、こういう厳しい経済状況ではございますが、区民の皆様、それから行政、それから民間が協働することによりまして、これからも訪れたいまち、住みたいまち、そういった豊島区になるよう、文化政策の向上に今後とも努めてまいりたいと考えてございます。

○高野区長  今お話しのように、豊島区が10年前から文化政策、条例をつくり宣言をして、そして一番はやはり職員の意識と区民の意識が文化に目を向けるということではないかと思っているわけでありまして、何も大きな巨大な費用をかけて箱物をつくるというわけではございませんけれども、やはりある程度の何か、ただそれだけではなくて、1つの大きな広がりを見せるようなもの、それが私は今回の西部複合施設の建設だと思っておりまして、地元の方から、何とか早く先送りせずつくり上げてもらいたいと。それが地域に必ず広がるような、そういうものであって、ただ、建物だけですべてではなくて、その地域全体がそういうような文化の広がりを持てるような地域、豊島区の中では、一番そういう意味でモンパルナスやアトリエ村、あるいは先ほど来お話しした熊谷守一美術館、小さいけれども輝いていますよね。そういう連携をとりながらやっていく。

そして一番は、やはり先ほど申したように我々の認識と区民ですよね。区民の皆さんがそれぞれの地域文化を大切にしながら、まちづくりをしていくというようなこと、これはやはりほかの地域にない豊島区ならではの、これからの文化政策に対しての新しい指針といいますか、目標を持ってそういうまちづくりをしていく姿勢が、私は必ず花開き、高く評価をされていくのではないかと思っております。