平成22年予算特別委員会 全部の補足質疑( 3月16日)

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縦割り行政を排し自殺対策、セーフコミュニティに取り組め

  ○辻薫委員  本日、公明党の1期生からの質問は、平成22年度の最重点施策でございますセーフコミュニティずくめでございますので、よろしくお願いいたします。

最初に、先程西山委員からは治安対策関係について伺いました。私からは、自殺対策について改めて伺いたいと思います。

今月は自殺対策強化月間となっておりまして、3月5日の広報としまにおきましては、アルコール使用障害と自殺について取り上げておりました。この内容を含めまして最近の本区における自殺対策について伺いたいと思います。

○宮野健康推進課長  最近の豊島区の対策ということでございますけれども、昨年の平成21年第3回定例会及び第4回定例会でも自殺予防の項目のホームページを新規に作成したということ、それから心の健康カードといいまして、これは小さいカードですけれども、そこに連絡先、いろいろ相談先とかを書いたもの、そういうものを配布したりしたこと、それからゲートキーパーの養成ということで民生委員の方を中心といたしましてゲートキーパーの養成講座を開いたということ、そのようなことがございます。また、2月19日でございますけれども、これは東京自殺防止センターから講師の方をお招きいたしまして庁内の相談担当者を対象といたしまして講習会を実施いたしました。そのようなものを実施しておりまして、今後、庁内講習会等機会を利用しまして、第3回定例会でもお話ししました情報共有のネットワークというのを強化していきたいと考えているところでございます。

○辻薫委員  それで、この取り組み宣言で使用されました資料によりますと、不慮の事故や自殺を含む外傷による死亡者数は、この5年間で605人ということで、そのうち自殺者数は何と293人で、半分を占めているわけでございます。この5年間のうちに何と週に1人以上が自殺をしていると、こういう状況でございます。

セーフコミュニティは、この自殺対策の有効手段ということで何度も申し上げておりますけれども、同制度の導入による取り組み、またその効果というものはどのように想定されていますでしょうか。

○宮野健康推進課長  これまでの取り組みでございますけれども、どちらかといえば行政サイドから見た取り組みということでございまして、それも点と点というような取り組みであったかなというところが、今見直したところそういうところの側面があったかなというところでございます。

今回セーフコミュニティということで従来の行政サイドから情報発信していたというところから今般、国におきましても社会全体で取り組むということ、この前の命を守る自殺対策緊急プランというのが2月5日に出ておりますけれども、その中でも社会全体で取り組むというそこを第一に持ってきているということがございます。やはり気づき、相談の機会があります地域の方々、その方々と情報を交換したり、それから意見交換をしていく、そのような場が必要ということでございまして、セーフコミュニティ、この活動というのが大きく推進していくきっかけになるかと考えてございます。

○辻薫委員  本当に全くそうだと思います。全体でということで国でもそうしているわけですけれども、そこでNPO法人のライフリンクが中心となって作成いたしました自殺実態白書によりますと、人が自殺に至るには平均で4つの危機経路をたどると言われております。これは一般質問でも取り上げさせていただきましたけれども、例えば自営業者であれば事業不振から生活苦に至って、そして多重債務、さらにうつ病となって自殺になります。被雇用者であれば配置転換から過労や職場の人間関係が悪化し、うつ病となって自殺するということで、自殺予防にはがん対策の早期発見、早期治療ということで同じようにうつ病などによるそうした疾患になる前に、より早い段階での相談体制の充実、ネットワークということを私も主張させていただいておりますけれども、実際ライフリンクの調査によりますと、亡くなる前に相談機関を訪ねた人は7割以上に及ぶという結果が出ております。

そこで角度を変えまして文化商工部にお聞きしますけれども、例えばさきの自営業者が事業不振から融資の相談に来られて、結果的に融資が受けられなかったといったケースもあると思いますけれども、そこでさらなる相談体制として必要だと思いますが、こういった点はいかがでしょうか。

○高橋生活産業課長  まさに委員おっしゃるとおり、中小企業相談室を私どもで運営しているところでございますが、もちろん創業や起業をサポートさせていただくだけではなくて、最近は廃業のご相談みたいなことも増えているところでございます。やはりお金を借りに来るということは、運転資金が足りない、営業厳しいという状況がある中で、やはり余力があるうちに会社を畳むということも1つの手ではないかと思っております。追い詰められて夜逃げとは言いませんけれども、そういう状態になる前の段階でやはり様々な専門家の方にご相談するような形で廃業等も含めた相談を受けることが必要だと思っております。私どもでは東京都中小企業振興公社と専門家派遣制度などやっておりますし、また新年度としまビジネスサポートセンターという形で相談機能を強化する予定でございます。そういう中でそういう相談にも多様にご相談承っていきたいと考えているところでございます。

○辻薫委員  まさにそういう意味では、ずばり言うところは言うというところで、最終的にその人が本当に自殺に至るようなことがないように立ってという取り組みだと思いますけれども、もう1つの被雇用者の例でございますけれども、配置転換から過労や職場の人間関係が悪化して最悪の事態になっていくということを防ぐために、今日は本区の人事課においてはどのような取り組みが行われているか、お聞きしたいと思います。

○石橋人事課長  本区のメンタルヘルスにつきましては、まず精神科の産業医を頼んでおりまして、こちらが月1回相談日を設けております。また、臨床心理相談というのも月1回設けておりまして、こちらも別の日で設けているところでございます。

なお、その実績でございますけれども、精神科の産業医相談につきまして平成20年度は延べ60人、臨床心理相談が同じく20年度で延べ37人の方からご相談いただいておりまして、それ以外に例えばご本人でなくて関係者、例えば職場の上司であるとか、場合によってはご家族の方の相談というのも数件受けているという状況でございます。

○辻薫委員  まず、このセーフコミュニティという取り組みの前に、庁舎的に皆さんが元気で、そして明るく仕事ができるという体制も必要かなと思いまして確認させていただきました。

次に、区民部に伺いますけれども、自殺問題に限らず今回のセーフコミュニティの取り組みにつきましては部門横断的な連携、協働の仕組みが重要なポイントとなるということで前回も確認させていただきましたけれども、そこでセーフコミュニティを踏まえての町会、自治会との連携、協働の仕組みづくりにつきましてはどのような取り組みを考えていらっしゃいますか、お聞かせください。

○齊藤区民活動推進課長  町会、これ委員の皆様方もご案内のように、地域の安心・安全なまちづくりのために、また地域コミュニティの形成を図るために自主的に、あるいは自発的に取り組んでくださっている地縁団体。セーフコミュニティに関しては、改めて特別なことを町会、地域に求めるということではなく、今活動してくださっているそういう地域、町会の活動、もうここにスポットを当てて、その活動をさらに充実したものにしていく、そういうことで考えてございます。

○辻薫委員  先程ゲートキーパーという話もありまして、民生委員等にも受けていただいて早く察知していただくという、いわゆる自殺の問題ではありましたけれども、これからは取り組みが非常に大事になってくると思いますけれども、次に、教育委員会にお聞きしたいと思います。まず、これまで取り組んでこられました学校並びに児童・生徒に対する安全対策についてお聞きしたいと思います。

○鈴木学校運営課長  安全対策と申しますと様々な側面があると思っております。安全対策事業という予算化されている事業といたしましては、スクールガード講習会でありますとか防犯カメラの設置、あるいは防犯ブザーの配付など等の事業に取り組んでいるところでございますが、その他安全教育の面あるいは学校施設面など安全に関する取り組みについては多岐にわたっているものと思っております。

○辻薫委員  それでは、ここで改めてこのセーフコミュニティという制度導入されるわけですけれども、こういったところではどういった対策になっていくんでしょうか。

○齊藤秘書課長(政策調整担当)  子どもにつきましては、まず子どもの皆さんがどういうところでどんなけがをして、どんな怖い思いをしているのかといったことがまだまだ十分調べられていない点がございます。ですから小学校、保育園、幼稚園等様々な皆さんの保護者のご協力をいただきながら、まずはそこのところをしっかりと分析をしていく。そしてその後に子どもの場合には豊島区としてはどこに重点を置いて安全対策をしていけばいいかということをしっかりと見極めていきたいと思っております。

○三田教育長  補足させていただきますが、私どもは委員ご指摘の生命尊重という立場から保健の指導とか理科の学習の中で、それぞれ子どもたちが生命についての成り立ちということを学習してまいりますし、また健康、安全という面では保健教育ということから安全な自分の自己管理も含めた生活のあり方ということで取り組んでおりまして、そうしたものを反映させていく必要があるのかと。さらには生活指導上では、やはり安全マップとか学校の安全管理、施設上の管理をどうするかということでこれまで様々な事件に遭遇しながら築き上げてきたものございますので、こうしたものをしっかりと整理しながら課題も明確にしてこのセーフコミュニティに反映させていきたいと。また、学校が地域との連携するということもたくさんございますので、そうしたことはコミュニティへの連携事業の推進、充実という点でも貢献できるかなと考えてございます。

○辻薫委員  本当は他の部局にも全部お聞きしたいんですけれども、時間がないので、まとめさせていただきますけれども、今回のこの取り組み宣言文にもございます地域社会の安全の質を向上させる世界基準のまちづくりであり、これまで10年間のまちづくりの集大成、こういうふうに掲げられておりますけれども、認証取得へ向けては、何度も申し上げておりますけれども、こうした関係部局の横断的な連携というのが何よりも大事でございまして、本当に私も生まれ育った豊島区でございますので、名実ともに世界基準のまちとなるようにしっかり私もまた取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。以上で質問終わります。

○高野区長  来年度に向けまして、最大の取り組みとしてのセーフコミュニティご質問いただきました。非常に明確にいろんな形の中でお示しすることもできたわけでありますけれども、お話のようにやはり全庁が緊密な連携をとると同時に、私はそれぞれの地域力をつくったり地域愛をつくり上げたりとか、本当にセーフコミュニティ、これは分析すればするほど非常に幅広くしていかなければいけない。そういう中でしっかりと現状分析、データを集めながら、そして今お話のように自殺等々の問題等々含めてやはり相談体制、これはより強化に、私はこれが一番のポイントになるのではないかと思っておりますが、いずれにしろまだまだセーフコミュニティという形の目標を掲げただけでありますので、これからも今ご質問のように各部局、課がそれぞれの思いをしっかり持っていなければなし得ないことだと思っておりますので、ようやく緒についたばかりでありますけれども、来年度これをしっかりと進めていきたいと思っております。