平成25年予算特別委員会 清掃環境・都市整備・土木費( 3月 5日)
老朽家屋対策
○辻薫委員 どうぞよろしくお願いいたします。
私のほうから都市整備費で建築行政関係経費、これは予算書の259ページの件で伺います。
決算特別委員会でも取り上げさせていただきましたけど、老朽建物の対策ということなんですけども、実は本年1月にうちの地域で、老朽家屋で家主が亡くなっているというのか発見されたということで、死後2年が経過しているということがわかりました。近隣とも、また身内の方ともおつき合いがないということで、なかなか発見できなかったようですけども、実は区としても、定期的に老朽建物については点検を行っていたということで、私もそういう要望をしていたところなんでございますけれども、ちょっと今回の経緯につきまして御説明いただきたいと思います。
○末吉建築審査課長 こちらの件につきましては、近隣から老朽建物ということでお困りになっているということで、当初、情報をいただきましたのが平成21年の4月ということでございます。その後、7月にそちらに住んでいらっしゃる方が来られまして、費用面で、非常にやりたいんだけれども、できないんだというお話がありました。その後、再三、それ以前にお電話でお話をさせていただいたり、その後は文書でやりとりをさせていただいていたりをしておりました。
その後、全く、近隣の話では施設に入って本人はいらっしゃらないんだというようなお話があったものですから、区といたしましては、かわらが道路に落ちる、あるいは近隣に壁が落ちる、こういったものを職員のほうでみずから落とすというような作業を繰り返してまいりました。
委員おっしゃるとおり、我々も警察から、ことし1月になって孤独死をされておったということを伺って、その後、その親族の方と連絡が我々もとれるようになりまして、親族の方がおっしゃるには、DNA鑑定の結果、親族であることが判明したということで、今後、弁護士ともお話しして、その上で改善をしていきたいということで、先般、遺品、かなりあったもんですから、業者に頼んで遺品を処分したということで、今後、建物についても改善の方向で進んでいくものだと考えてございます。
○辻薫委員 状況はわかりました。やはり外観の検査だけではなく、やはりこの家主と頻繁に、点検と同時に連携をとると。連携がとれなかったときには次のことをやっぱり対処していかなきゃなんないんじゃないかなということで感じております。
そこで、老朽建物の実態と指導件数の推移を教えていただきたいと思います。また、以前に空き家実態調査など、これまでの調査からより詳細に調べるという旨のお話をいただいておりますけど、この現状についてお聞きしたいと思います。
○末吉建築審査課長 まず老朽家屋の建築物の指導実績なんでございますけれども、過去3年間で、平成22年が9件、平成23年が、これは地震の影響もありまして41件、その後、今年度12月現在で5件という状況でございます。
空き家実態調査につきましては、老朽度合いが高い地区、あるいは高齢化率が高い地区、駅から離れた地区といったところを抜き出しまして、住宅系の建物棟数が1万1,990棟、こういったところから調査をしたものでございます。何らか老朽度合いが見られたものについては201棟、窓ガラスの割れなど老朽度合いを5項目として、1項目でも該当したものは139棟、これは1.16%。2項目以上については62棟、0.52%と把握してございます。
それから、こちらのデータにつきましては、年代別、構造別、階数別、用途別ということで一つ一つ分析をしたところ、おおむね特徴が見えてまいりました。おおよそ築40年以上の木造で2階建て、そして住宅系の建物ということが9割以上を占めているということが現状わかってまいっております。
○辻薫委員 具体的にそうやって調査していただいて、いろいろとまた対策もとれるかと思いますけども、私も課長に何件かそういう形で区民からの通報を受けてお話しさせていただきましたけども、実際に指導した、今年度5件でしょうか。指導して展開していったという例はございましょうか。
○末吉建築審査課長 こちらについてはさまざまでございまして、全く改善が見られないもの、それから、あとは2年程度たって、逆に更地になってしまうものというようなことで、現在指導中の5件については動きというのはまだないんですけれども、これについても随時、指導を粘り強くやっていくというようなことで考えてございます。
○辻薫委員 なかなか先に進まないというのが実態なのかなと思いますけど、そこで昨年の決特でもお話しさせていただきました。やはりこの取り組みとして、条例化というのがございます。足立区と所沢市で、既に条例化されておりますけれども、今年度は23区で大田区が条例化すると。また、墨田区でもこの検討会が立ち上がったということなんですけども、そこで改めて本区における条例化へ向けての進捗状況をお聞かせください。
○末吉建築審査課長 昨年12月に、条例化に向けた対策委員会を設置いたしました。メンバーは3警察署、それから2消防署、それから庁内の関係部局を入れて、2月に第1回の検討会を開催いたしまして、来年度の条例化に向けて今動き出したというところでございます。
○辻薫委員 先ほどのこの事例にもありますとおり、やっぱり老朽化の理由としてはさまざまあると思います。やはり近隣の方にとっては、間近に来るであろうという大震災、これによって倒壊する、もしくは火災が発生するということで、非常に心配の種なわけでございますけれども、そこで本区としてはどのようにこの条例の内容を決めていくのか、その点につきましてお聞きしたいと思います。
○末吉建築審査課長 まさに今、検討を始めたところでございますが、先ほどの築40年以上ということで見てみますと、細かく見てみますと、倒壊寸前というよりも、その予備軍がむしろ多いんだろうなと考えてございます。それと本区の特徴ですと、やはり何といっても流通させるポテンシャルはあるものですから、それの流通を何とかさせていく仕組みであるとか、それから、少しでも補修を促進をしていくであるとか、そういった内容を盛り込めないかなと考えてございます。
それから、老朽建物といってもさまざま段階がございますものですから、その段階に応じて、できるだけ定量的な基準でわかりやすい指導ができるように条例化を図ってまいりたいと考えております。
○辻薫委員 私、前回も言いましたけれども、やはり推進していくためには、解体の助成だとかということも視野に入れる必要があるかと思いますけど、ちょっと改めてこの点について伺いたいと思います。
○末吉建築審査課長 現在のところは、解体費用の助成というところまでは検討の段階には入っていないんですけれども、もう少しつぶさに実態を分析しながら、また個々の御事情というのもございますものですから、その中で対応できる手段としては検討の余地はあるのかなとは考えております。ぜひ検討をお願いしたいと思います。