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平成25年予算特別委員会全部の補足質疑( 3月14日)

西部地域複合施設の文化拠点・文化創造都市推進シンポジウム

○辻薫委員  よろしくお願いします。私からは、文化政策について伺いたいと思います。

先ほど来、西部地域複合施設での文化拠点の問題だとか、としま未来文化財団の話も出ておりましたけれども、私も決算特別委員会で豊島文化政策推進プラン、これが中間の見直し時期に来ているということで、どう文化を評価し、これからの政策に結びつけていくかという話をさせていただいたところ、そのときに、実はこの2月に文化創造都市推進シンポジウムを行いますと。ぜひこれを見ていただければわかりますとおっしゃっていただいたんですけど、当日、本会議の初日で、だれも議員が行けなかったという、わざとぶつけたわけじゃないと思いますけれども、そういった意味で、非常に興味があるところでございまして、また全体としてもお聞きしたいと思いますので、まずこのシンポジウムの開催の目的からお伺いしたいと思います。

○八巻文化デザイン課長  まず初めに、1年半前から準備を始めましたが、議会の初日に当たってしまったことをおわび申し上げます。申しわけありませんでした。

それでは、目的についてというようなことでお答えさせていただきます。区制施行80周年の記念事業の一つとしてとらえてございます。実は文化政策懇話会が平成14年に設置されまして、ことしでちょうど10年になります。16年には懇話会からその提言を受けまして、以来、文化を基軸としたまちづくりに取り組んできましたけれども、それまでの10年をどのように振り返ったらいいかということで、PDCAのチェックの機能を担いまして、特にそのCとAのところはなかなか手が行き届かないというようなことでしたので、10年の振り返りをして、次にどう進むかというようなところを目的といたしました。

○辻薫委員  では、当日の概要についてお聞かせください。

○八巻文化デザイン課長  こちらは2つの分科会と、それから基調講演、パネルディスカッションで構成いたしました。当日のコーディネートは、実は文化政策懇話会の専門部会長でありました埼玉大学の後藤先生にお願いいたしました。分科会1のほうは、「文化、産業、都市デザインの融合」をテーマということで、分科会2のほうは、「自治体の政策と多様な主体との協働」ということで、懇話会の中でもやはり区、区民、それからNPO、企業、いろんな自治体とこの政策を実施するようにという提言があったので、意識してこの2つのテーマを取り上げました。

特に分科会2のほうは100名以上を超える御参加があり、北は宮城、それから南は沖縄、九州の自治体の方が大勢参加してくださいまして、その自治体の方がいろいろな協働を進めていくということに、いかに問題を抱えているかというのが伺えるような内容になってございました。

○辻薫委員  当日は近藤文化庁長官も来られたということで、基調講演もされたんですけれども、その内容と、その後パネルディスカッションも行われていまして、その内容につきまして伺いたいと思います。

○八巻文化デザイン課長  近藤長官は今回2回目の御登壇ということで、1回目は一昨年、文化フォーラムでお越しいただきました。近藤長官の講演の中に、やはり東日本大震災というキーワードが盛り込まれていまして、そのときに人々の心を和ませたのは郷土芸能などであるということで、文化遺産の大切さを非常に語っておられました。文化はまちをにぎわって元気にするだけではなくて、さらに産業や経済とつないでいかなきゃいけないというのが今の主流であるというようなお話、それを実践するには、国では広過ぎるので、一番住民に近い区市町村、そこが推進していかなければならないというようなエールを伺ったのが近藤長官の基調講演でございました。

また、パネルディスカッションのほうは、パネラーには先ほど何回かお話に出てきました隈研吾さん、それからジュンク堂の取締役であります工藤恭孝さん、それから、にしすがも創造舎の蓮池さん、芸術劇場の館長の福地さん、立教大学の吉岡総長に御登壇いただきました。すべてこの方たちは区にかかわってございますので、都市デザインの将来的な豊島区のデザインという視点から御助言をいただきまして、モンパルナスという昔のクリエーターがたくさん集積されたときのことをおっしゃっていまして、ごちゃごちゃ感が大変いい、それから、いろんな方を受け入れる寛容なものが豊島区にあるんだということで、豊島区にしかない魅力を発信してほしいというようなシンポジウムでございました。

○辻薫委員  ぜひそういう話を直接伺いたかったんですけども、当日、これも後でいただきましたけど、「としまの文化デザイン」ということで本が出されましたけども、これは逆にそちらから話をしたいということであったもんですから、ちょっと説明をいただきたいと思います。

○八巻文化デザイン課長  こちらの表紙の数字が1932から始まってございますけれども、これは昭和7年に豊島区が誕生した年数を書かせていただきまして、2002年というのは70周年、そして2012年、そして2032年、100周年まで文化が続いていくという意味合いで書かせていただきました。

文化を評価するということが非常に難しいと思ってございまして、よく内部でもその議論をしてきましたが、やはりアーカイブとして残していくということも評価の1つではないだろうかということで、隈先生を初め、いろんな各界で関係している著名な文化人の方たちにそれぞれ寄稿していただきましたので、こういったものが後世に伝わってほしいなというような観点からつくらせていただきました。

○辻薫委員  私もちょっとこれを見させていただいて、非常にこれまでの取り組みとか、また、確かに今後の方向性みたいなのも書いてありました。それで、今後、このシンポジウムを受けましてさまざまな取り組みをしていくと思いますけれども、文化政策としてどのように展開していくのか、この点についてお聞きしたいと思います。

○八巻文化デザイン課長  16年に受けた提言の中には、地域の文化資源を活用する、それから多様な主体と協働していく、そして、それを経済や産業に結びつけていくというような提言になっていたんですけども、やはり最後の経済や産業への結びつきが少し弱いんじゃないかというような御助言を受けまして、これからそのような形で、どんな形でできるのかというのを協議していきたいなというふうに思っております。

前段の2点については、先ほどセーフコミュニティのお話にもありましたが、安全・安心なまちをつくるために人と人の顔がつながるというのは非常に有用なことだと考えております。そういった手段に文化的な活動が区民の中で非常に活性化してきたというのは10年間の中の評価だと思いますので、そういった点を振り返りながら、また先に進んでいきたいなと考えてございます。

○辻薫委員  取りまとめさせていただきますけども、文化創造都市宣言、そして文化庁長官の表彰ということで、この10年間、さまざまなやっぱり取り組みが、そういう意味では成果としてあらわれてきたんじゃないかなと思っています。そして、私も、文化拠点としての西部複合施設もその一つの結果としての取り組みではないかなと考えております。

そういった意味では、さまざまなところで注目をされる豊島区なんですけども、あわせて、ことしはそれに安全が加わりまして、高野区長は安全文化という話もされておりますけれども、広い意味でその文化というところで、やはり私は安全・安心創造し続けるまちであり、また文化と品格を誇れる価値あるまちづくりというところで、この2つの両輪が、ある意味で豊島区の未来像ということで掲げられていますけれども、最後にこの点につきましてお聞きしたいと思います。

○高野区長  残念なことに、ちょうどシンポジウムのときが議会とぶつかりまして、私も議会をちょっと抜けさせていただいて、10分間、5分間ですか、事例報告というか、させていただきました。近藤長官以下、本当にそうそうたる文化人がいらっしゃって、それだけ私はこの豊島区が10年間の間に文化が大きく広がってきて、各界からも注目され、そしてこの豊島区の文化シンポジウム等々には快くお出まし願って、大変内容のある、内容のあるって、私、聞いていないもんですから、いろいろ後から聞いてみますと、すばらしいものだったと。本当に皆さんにもっともっと聞いてもらいたかったということもありますけど、今お話のように、この10年間、皆さんとともに文化政策を育て上げてきて、ようやくそれの総決算、これからまた新たな形の中にやはり文化政策をどう進めていくか。これはやはり豊島区の大きな特色になると思っております。

ちょうど事例報告のときに楽屋口のほうにお邪魔しましたら、それぞれの方とお会いして、お世辞だと思いますけど、非常に豊島区に対して高い評価をいただいている。やはり、あのような一流の方がそのようなことを言っていただけるということは、本当にそういう意味で、すごい広がりができるのではないか、そんな思いをしております。

まさにこれからの10年が正念場だと思っております。今お話のように、すべての政策の基本はやっぱり安全・安心です。この安全・安心の上に立った文化政策、そして豊島を輝くような形にしていく。もちろん政策全般に目配りをしながらやっていくことが大事だと思っておりますので、これからも積極的に進めていきたいと思います