平成28年決算特別委員会 文化商工・教育費(10月 4日)辻 ②
不登校対策スクールショーシャルワーカー・タブレット活用

○辻薫委員 それでは、今度、実際に不登校になってしまったと、この後の取り組みなんですけれども、児童・生徒の登校に向けたステップについて具体的に教えてください。
○鮫島教育センター所長  不登校を防止するための予防対策、それから初期対応を行ってもなお困難に長期にわたり不登校になったお子様につきましては、スクールソーシャルワーカーの活用をしております。スクールソーシャルワーカーにつきましては、不登校対策会議において支援計画を行い、学校からの申請に基づいて、保護者の同意により家庭訪問を行い、児童や生徒の家庭環境に働きかける登校支援を行っております。その際、不登校の問題の背景や要因に保護者の精神疾患や虐待、ネグレクト、貧困等の複雑化した問題を把握した場合につきましては、適切な支援を講じる必要があり、医療や福祉等の関係機関と連携して対応を行っている次第でございます。
○辻薫委員  今、SSWの話が出ました。この重要性はすごく理解しているところです。現在、SSWが何人ぐらいいらっしゃるのか、また、不登校以外で虐待なんかの取り組みもされていると思いますけども、このSSWの動きにつきまして教えていただけますでしょうか。
○鮫島教育センター所長  初めに、スクールソーシャルワーカーの人数でございますが、昨年度から非常勤職員となりました月16日勤務が2名、そして月8日勤務が2名の計8名でスクールソーシャルワーカーとして働いていただいています。
 また、スクールソーシャルワーカーの虐待のケースにおける事例でございますが、近年においては、小・中学校ともに虐待、ネグレクトのケースが増加の傾向にございます。スクールソーシャルワーカーの役割というのは、不登校だけではなく、学校では解決できない問題を解決していく上で、本当にソーシャルワーカーの役割というのがますます重要になっております。
 特に虐待のケースでございますが、例えば1つの事例といたしましては、しつけと称して虐待を行う、または成績等の保護者の負担、期待に対してこたえられないということで、衝動的に保護者が虐待を行うというケースでございます。このケースにつきましては、学校からの要請がありましたら、スクールソーシャルワーカーは東部の家庭支援センターや、そして児童相談所と連絡を密にして、命を守るということ、子どもたちの心を傷つけないということで、迅速かつ適切な対応を行っております。
 なお、先ほどの非常勤の職員の数ですけど、2名、2名で4名でございます。
○辻薫委員  今ちょっと聞こうと思ったんですけども、わかりました。
 それで、福祉のときに私も児童相談所のことは伺ったんですけども、やはりSSWとの連携というところで非常に大事になってくるかなと思いますので、私はSSWの拡充、今4名と言いましたけども、拡充が必要であろうというふうにちょっと訴えさせていただきたいと思っております。
 そこでまた、不登校の問題に戻りますけれども、不登校が長期にわたると、やはり児童・生徒の学習面が心配になってくるわけですけども、この学習面ではどのような取り組みをされていますでしょうか。
○鮫島教育センター所長  不登校が長期になった場合、学習のおくれももちろんのことなんですが、生活の乱れもあり、そして不登校の改善をすることが難しい状況になります。そういったところで、教育センター内にある適応指導教室、柚木の木教室において、不登校が長期にわたる児童・生徒を対象にして、小人数の学習支援、レクリエーション、スポーツ学習、そして校外学習等を行っております。
 今年度9月からは、学習にタブレットパソコンを活用することができまして、子どもたちの中にはタブレットを行うのがとても楽しい、今まで小学校でつまずいていたことを聞くことができなかったけれど、中学校の勉強もタブレットで小学校とつながって勉強することができる、大変わかりやすいということで、適用指導教室のタブレットの活用も大変ふえているという状況でございます。
○辻薫委員  このタブレットの活用については、高橋議員が一般質問で取り上げて、要望したことが実現したということで、今確認させていただきましたけれども、また肝心なのは、この教育センターに来られないお子さんですね。このお子さんにつきましては、どのように学習支援をされていくのか、確認させていただきたいと思います。
○鮫島教育センター所長  御指摘のとおり、教育センターの適応指導教室にも通うことのできないお子さんというのは大変重要で、この問題については重要であると考えております。不登校の解決の目標というのは、児童・生徒の将来的な社会的自立に向けての支援が必要であり、それを見据えた学習支援、進路を見据えた学習支援というのはとても大切であると考えています。
 今、教育センターにおきましては、適用指導教室に通うことができない児童・生徒につきましては、保護者、子どもの教育相談を行い、社会とかかわるような支援を行っております。なお、それを以外でも長期にわたり引きこもる児童・生徒につきましては、非常に困難なケースを極めているところでございます。
 ちなみに、平成27年の12月、文部省の答申では、チームとしての学校のあり方と今後の改善策についてというところで、不登校の問題は複雑化し、多様化しているということで、チームとしての学校として教育や支援を専門家とともに、これはスクールソーシャルワーカー等でございます。とともに行っていく必要があるというふうに示されております。
 私どもも、すべての児童・生徒が怠りなく学習ができ、そして学校に通うことができるよう、日ごろからの未然防止に加えまして、今後ますますスクールソーシャルワーカーを活用して、不登校問題の解消、そして、ひきこもりのないような支援を行っていきたいというふうに思っております。
○辻薫委員  まとめさせていただきますけれども、やはり不登校対策につきましては、何としても不登校にさせないという未然の防止の取り組みが何といっても大事だなと思っております。その上で、残念ながら不登校になってしまった場合は、その後の児童・生徒に応じたきめ細かな学習支援というのが、先ほどタブレットで効果を上げていると言いましたけども、その支援が必要であるというふうに思っておりますので、引き続き、この取り組みは強化していただくことをお願いしまして、質問を終了いたしたいと思います。
○三田教育長  大変今話題、問題になっているところをお聞きいただいてありがとうございます。私どもも、ここにどうやって光を当てていくかということで、不登校の最も困難な部分ですね、どうするかということで、今可能性として、やっぱりタブレットを家に持ち込むという方法はないか。そして、子どもたちがやっぱり中学校で高校受験というのが一番ネックになっておりまして、柚木の木に通っているお子さんについては、幸いこの3年間、全員高等学校に合格しているんですね。並々ならぬ努力でやっているんですが、これをもっと通ってこられない子に光を当てられないかということと、もう1つはお子さんたちの一番の厳しい状況は、人間関係がつくれないということなんですね。
 それで、私、武蔵野市で、これ教育長会で聞いた実践なんですが、やっぱり連泊をして体験学習を野外でやって、人間回復のいろんな回復を取り組んで成功しているという事例も聞いていまして、今後、そうした子どもたちが移動教室とか行けていないんですよ。だから、そういう子どもたちにも配慮を当てるような取り組みというのは事業化できないかということも今検討しながら、SSWと協力して、そうした困難な対応をしてまいりたいというふうに考えております。