令和 3年予算委員会 第1~11款補足質疑 辻議員( 3月11日)

断らない福祉・SDGs

○辻薫委員  どうぞよろしくお願いいたします。

私は、断らない相談支援の構築について伺いたいと思います。

来月、4月から、改正社会福祉法が施行となり、いわゆる断らない相談支援を具体化するための重層的支援体制整備事業が始まります。昨年の第4回定例会でも、私は住宅施策の中で、コロナ禍で家賃が払えない等、住まいに不安を抱えられておられる方は、住まいだけではなく、複雑な課題やリスクを抱えておられるケースが少なくないことから、取り上げさせていただきました。 まずは、事業概要についてお聞かせください。

○渡邉自立促進担当課長  ありがとうございます。この重層的支援体制整備事業でございますが、昨年の6月に社会福祉法が改正になりまして、できる制度でございます。今、8050問題ですとか、ひきこもり問題ですとか、非常に住民の方が抱える課題というのが複雑化、また、複合化してきておりまして、今までの縦割りの相談の体制では非常に課題があるということは国のほうでも非常に認識をしているというところでございます。その中で、高齢ですとか、介護、障害、生活困窮ですとか、そういうようなそれぞれの属性の支援体制ではなかなか解決できないものを、一体的に属性を問わない相談支援ですとか、参加支援、また、地域づくり支援など、一体的に事業を行っていくと、そういうものに対して国が交付金を交付するというような制度になるということでございます。

○辻薫委員  そこで、この間の一般質問でも出ましたけども、この断らない相談支援、そして、多様な社会参加に向けた支援、さらには地域づくりに向けた支援という、この3つの機能を一体的に実施するという、こういうふうになっております。いろいろと段階を追ってやっていくということなんですけども、具体的にはどのような取組になるのか、お示しいただきたいと思います。

○渡邉自立促進担当課長  今申し上げました3つの形で、まず、相談支援でございますけども、今申し上げましたとおり、介護、障害、子ども、生活困窮など、属性を問わない、全ての相談を受け止めるというようなことでございまして、既に豊島区では4階が福祉総合フロアになっておりますので、そちらのほうで対応したり、この4月から福祉包括化推進員制度ということで、自立促進担当課長の下に関係の部署の係長を兼務配置をしたりとかして実施をしているというものでございます。また、参加支援につきましては、就労支援ですとか、居場所機能など、多様な社会参加に向けた支援ということでございまして、これも4階にありますくらし・しごと相談支援センターがそのような役割を担っているのかなと思っております。また、地域づくりにつきましては、住民同士が助け合って参加できる場所ですとか、また、交流、参加、学びの機会を生み出すコーディネート機能とかを持たせるということがうたってございまして、これにつきましても、地域の区民ひろばのほうで、既に世代を超えた交流等も行っているので、本区ではある程度もう取り組んでいるのかなというところでございます。

○辻薫委員  ありがとうございます。

今ずっとお話を伺ってると、本区においては、いわゆる8050問題や虐待、貧困、既存の組織単独ではもう対応が困難な複合的な課題を抱える相談が増加している中で、既に断らない相談支援体制というのができつつあると思いますけども、実際にどのような体制ですね、組織体制を行っているのか。また、関係する課、どのぐらいあるのか、お聞かせください。

○渡邉自立促進担当課長  まずは、相談、来た方は4階のフロアで受け止めをしておりますけども、その中で、課題が違うところの部署があった場合には、すぐにそちらの関係の課、担当等、来ていただいたり、また、お連れしたりして、相談に応じていただいているというところでございます。また、先ほど申しました自立促進の担当課長の下に福祉包括化推進員というものを兼務配置をしていると申し上げましたけども、これにつきましては、本当に困難な事例につきまして、定期的に会を設けまして、その事例検討しながら、その相談者に合った形での支援を行うというものでございますけども、その関係の課というのが高齢者福祉課、障害福祉課、生活福祉課、西部生活福祉課、介護保険課等の保健福祉部内と、それに加えまして、健康推進課、長崎健康相談所の保健所機能のところ、また、子ども若者課、子育て支援課の子ども家庭部門も入っております。これに加えて、また、社会福祉協議会のCSWの担当にも加わっていただきながら検討しているところでございますが、なかなか複合的な課題がどんどんどんどん増えてきているという現状もございまして、来年度からはこれに、今申し上げましたところから、住宅部門ですとか、また、教育部門も加えて、体制を強化していきたいというようなことを考えております。

○辻薫委員  ありがとうございます。

今聞いただけでも10以上の組織が、教育委員会も関わってくるということでは、大変な重層的な取組になると思いますけども、先ほどの3つの支援機能を一体的に実施する自治体については、交付金が支給されると先ほどもおっしゃっていただきましたけども、既にこの本区においては、ある程度断らない相談窓口とか、福祉包括化推進員の取組が進んでいると思いますので、重層的、この支援体制整備事業の要件を一定程度満たしてるんではないかと考えてますけども、国への申請状況はどうなっているんでしょうか、お聞かせください。

○渡邉自立促進担当課長  当初、このような形で進めておりますので、すぐに国のほうに申請の手を挙げようということを考えていたところでございますが、国のほうからの詳細の内容通知が非常に段階的に来ていて、全容が明らかになっていなかったというところもございまして、本申請には至ってございません。今はそれに向けて、本申請に向けての移行準備という形で、昨年、今年度と同様の補助申請をしていくという流れになっておりますが、これの申請につきましては、先ほど申し上げました高齢、介護、障害ですとか、いろんな分野のごとに、その相談だったら相談の部分だけの補助金を切り出さなくちゃいけないということもありますし、また、相談を受けた方の個別のアセスメントシートを作ったりとか、そういうこともございまして、関係の部署にしっかりとした周知も必要だということがございます。先ほど申し上げました福祉包括化推進員は担当の係長でございますので、実際の事例の検討ですとか、実務のところはしっかりとできてはいるんですが、補助金になりますと一緒の方がやっているとは限りませんので、それで、補助金を行う、申請をしている各課の担当者も含めて、しっかりと情報を共有しながら、今後進めていかなくてはいけないものだと考えておりますので、来年度、もう早々には国のこの重層的支援体制整備事業を行っている担当の部門の方に来ていただいて、研修をしていただきながら、また、講演をしていただきながら、来年、令和4年度の本申請に向けて積極的に準備を進めていきたいというような状況でございます。

○辻薫委員  状況が分かりました。なかなか申請についてはそういう難しさがあるというのは理解できました。

最後、まとめますけども、この断らない相談支援を中心とした重層的支援体制整備事業は、SDGsの誰一人取り残さない理念に合致するものであり、既に本区が先駆的に取り組んでいることが分かりました。各課連携の下、区民が抱えている複合的課題の解決へ向けて取り組んでいただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終了いたします。

○田中保健福祉部長  ありがとうございます。今回の重層的支援体制整備事業でございますが、先ほど来、課長が申し上げているとおり、福祉包括化推進員等の取組については、それを見ると、豊島区の取組を参考にしてつくったんじゃないかという、思われるような事業になってございます。また、そういう意味で、豊島区は一歩もう先を進んでるのかなと思ってございます。また、さらに住宅相談も保健福祉部に統合するということで、そういう意味で体制強化も図られてまいりますので、今後、その仕組みをうまく回していくために、区民一人一人に寄り添って、また、課題解決のために尽力を尽くしてまいりたいと考えてございます。