平成26年決算委員会 1~9補足質疑(10月15日)
緊急通報システム
○辻薫委員 委員長、最初に、10分ほどかかりますけれども、よろしいでしょうか。
○山口菊子委員長 はい。きょうは、あと此島委員と河野委員が手を挙げましたので、その方たちの発言を担保させていただきます。ただ、お昼休みが余りおそくなるのとまずいので、辻委員の発言が終わった時点でお昼休みをとらせていただいて、午後、今の続きで此島委員と河野委員の御発言をお願いいたします。その後、公債費以降に入ります。
○辻薫委員 はい、わかりました。私からは、ひとり暮らし高齢者対策事業のうち、緊急通報システムにつきまして質問させていただきます。最初に、このシステムの概要について、また、当初の利用者パンフレットをもとにお話ししていただきたいんですけれども、あわせて利用実績もお願いしたいと思います。
○直江高齢者福祉課長 緊急通報システムでございますけれども、これは、ひとり暮らし高齢者と高齢者世帯に対しまして緊急通報システムという機器を貸与いたしまして、家庭内で急病等の緊急事態が起きましたときに、ボタンを押すと民間の受信センターに通報されまして、看護師等の専門スタッフが対応をするものでございます。緊急と判断した場合には救急車の要請を行ったり、また、現場の派遣員が合いかぎを持っていまして、現地に駆けつけるといったものでございます。また、さらに、ボタンが押せないような場合がございますが、そういった場合には、安否確認センサーというものがございまして、活動の検知回数が一定量に満たないなど、異常な際に通報され、確認を行うといったものでございます。
利用実績でございますが、年度末時点で598人の方に設置されていまして、実際に何らかの問題があって通報された件数が49件、それから一般の相談で通報された件数が863件となってございます。
○辻薫委員 それで、本年4月に、この緊急通報システム加入者で本区在住の方がお亡くなりになりまして、他区在住のお身内の方、以降Aさんと呼ばせていただきますけれども、指摘によって、豊島区及び委託事業者の一連の対応に問題があったということが明らかになりました。区では既に改善策を実施しているところでございますけれども、いまだにこのシステム内容を正しく理解されていない方が多い状況でございます。システムを正しく理解していただくためにも何点か確認させていただきたいと思います。
まず第1に、加入者が亡くなられた当日の対応でございます。当日、ヘルパーの方が加入者宅を訪問した際に、部屋の中から応答がないため、Aさんへ連絡を入れました。Aさんは駆けつけるのに時間がかかるということから、委託事業者へかぎを持ってくるように依頼したところ、断られました。その後、ケアマネジャーや警察からも委託事業者へ依頼をしたところ、同じく断られてしまいました。また、ケアマネジャーの方は、区の窓口にも連絡をしているところでございます。結局、Aさんが到着した後にかぎをあけたところ、加入者は既に亡くなっていた状況でございました。
ここで明らかになったのは、区と事業者との契約では、緊急ボタンが押されたとき、または安否確認センサーが異常を感知した場合のみ駆けつけることになっていたということでございます。このように、身内であっても、また、警察の要請があっても、かぎを持ってくることはありませんでした。この点につきまして、区の見解とともに、改善した内容についてもお示ししていただきたいと思います。
○直江高齢者福祉課長 確かに御指摘のような事態がございました。ただいま委員も言われましたように、この契約では緊急のボタンが押されたとき、あるいはセンサーが異常を感知した場合に事業者が駆けつけるという、そういうことになってございまして、それ以外の場合の定めがなかったために、事業者は今回駆けつけなかったということでございます。ただ、契約上は確かに事業者に対応義務はございませんでしたが、福祉に携わる立場として、人道上は極めて不適切であったというふうに考えてございます。
今回の問題発生を受けまして、区と事業者の間で改めて対応を協議いたしました。契約の内容にかかわらず、切迫したような状況がある場合には対応していただくというふうに取り決めをしたところです。なかなかさまざまなケースございますので、具体的な規定は難しいところですけれども、今後ちょっとしっかりとルールをつくっていきたいと考えてございます。
○辻薫委員 そうですね。第2に、安否確認センサーについてでございますけれども、先ほどお示ししていただいた利用者向けパンフレットには、ボタンが押せない場合でも、安否確認センサーにより異常が通報されますとだけ書いてありまして、異常事が発生した際にはすぐにでも駆けつけるような、この誤解を招きかねない表現になっております。実際、今回Aさんが駆けつけて加入者の死亡が確認されたのは午後3時ごろでした。その後の調査により、加入者は前日の午後6時頃、つまり20時間たってから発見されたということでございます。
そこで、この安否確認センサーの機能について改めて御説明いただきたいと思います。また、これについても区の見解並びにその後の対応について御報告いただきたいと思います。
○直江高齢者福祉課長 安否確認センサーですけれども、確かに機能が大変難しいところもありまして、その辺、パンフレットや事業者の取扱説明書に十分記載されていなかったところがございます。このセンサーですが、毎日午前10時が基準となっていまして、前日の10時から翌日の午前10時までの間に動きがなかった場合に異常を感知するというシステムとなってございます。その結果、例えば前日の午前10時1分に動きがない状態になられても、その後、翌日の10時までは感知しない、すなわち最長で48時間近く感知しないこともあるといった、そういうものでございます。
このシステムそのものに関しましては、事業者のほうでも改善等研究しているというところでございますけれども、今回、パンフレットや取扱説明書に載っていなかったということが大変大きな問題であると考えてございます。その後、区のパンフレットにつきましては改善しまして、そこら辺、なるべくわかりやすく記載するとともに、現在の利用者様、あるいは地域包括支援センターや介護事業者様に対して改めて周知したところでございます。
○辻薫委員 3番目に、職員の対応についてでございますけれども、後日、Aさんが区役所の担当窓口に来られた際、安否確認センサーの内容を尋ねたところ、担当者により説明内容が違っていたり、逆にAさんがシステムを理解していないのではないかという発言もあったそうでございます。身内を亡くされ気を落とされていることを理解していただければ、こんな発言はなかったかなと思っております。この、職員の対応についての改善策はどのようにお考えかお聞かせください。
○直江高齢者福祉課長 職員の対応の問題につきましては真摯に受けとめてございます。地域包括支援センターのほうに十分に機能を周知できていなかったりといった、そういう問題ももともとございました。また、福祉に携わる職員として、相手の立場に立って親身に対応するということは当然のことでございますけれども、今回の対応は十分ではなかったのかなというふうに、そこは反省してございます。
今、区では新庁舎移転に向けて、本当に基本に戻るために、全職員向けに接遇研修、順次受けているところでございますけれども、当課としましても、改めてお客様の立場に立った対応を徹底してまいりたいと考えてございます。
○辻薫委員 最後にしますけれども、この緊急通報システムは、ひとり暮らし高齢者対策として大変重要な事業の1つでございます。また、利用者御本人にとっても、御家族にとっても、安心を享受できるという大切な機器でございます。しかしながら、緊急時に対応するのは看護師などの専門スタッフや、合いかぎを持ち、現場に駆けつける現場の派遣員です。心を持ち合わせた人間でございます。委託事業者に万が一そうした心がなければ、見直す必要があると考えております。そして、今後とも利用者の皆様がシステムを十分理解した上で、安心して利用できるように、今後とも周知徹底をお願いいたしまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○山口菊子委員長 ここで休憩とすることといたしますが、午後は議会費から教育費までの補足質疑で、河野委員、此島委員の御発言をいただきます。そして、その後、公債費以降の質疑、一般会計歳入の質疑及び3特別会計の質疑を順次行ってまいります。再開時間は午後1時5分といたします。
【小委員会提案】
○辻薫委員 済みません、貴重な時間で。ちょっと午前中の運営につきまして、若干疑問に思う点もございましたので、最後の全体の質疑を迎える前に、運営について一度小委員会を開いていただきたいということで発言させていただきました。この点についてよろしくお願いしたいと思います。
○山口菊子委員長 今、辻委員のほうから小委員会の開会の御提案がありました。各会派の皆さん、いかがでしょうか。
○辻薫委員 終了後で結構でございます。
○山口菊子委員長 辻委員、本日の終了後に運営についての、どのような内容か存じませんが、この決算特別委員会の運営につきましては、小委員会を開会して、その小委員会の小委員の皆さんの御意見を伺って運営をさせていただいております。それで今日まで来ておりまして、既にきょうは6日目を迎えております。で、17日が第7日、そして最終日21日ということになっております。それで、今後の運営のことについてということは、きょうの午後の運営については問題ないんですか。
○辻薫委員 はい、結構です。ちょっと内容につきまして、若干ですけれども、やはり先ほど午前中、私たちの会派としては全員が発言した上で、2回目、1人で2回目発言するということはその後かなという考え方もございました。また、きのうもそうでしたけれども、2分間で質疑をするというのは非常に難しいということで、委員に対してしっかり担保していただいてはいると思いますけれども、そのことにつきまして確認をということで発言させていただきました。提案させていただきました。終了後に、ぜひよろしくお願いします。
○山口菊子委員長 ほかの会派の皆さん、いかがでしょうか。
「異議なし」
○山口菊子委員長 では、本日の委員会終了後、開会をさせていただきたいと思います、小委員会を。
それでは、休憩前に引き続きまして、第1款議会費から第9款教育費までの補足質疑を行います。