平成29年予算委員会 3月14日 公債費以降の歳出・歳入、特別会計 ①辻

国保会計の医療費の適正化

○辻薫委員  私は国保会計の医療費の適正化について伺いたいと思います。これは後期高齢者医療にも通ずる話だと思うんですけれども、まず医療費につきまして、国全体と、あと区独自の状況をそれぞれお聞かせください。

 ○佐藤国民健康保険課長  国全体の医療費でございますが、厚生労働省が示しました平成27年度の医療費の動向によりますと27年度の医療費が約41.5兆円、前年度に比べて1.5兆円の増加というふうな結果が出ております。医療費の伸び率は3.8%、厚生労働省は高額なC型肝炎治療薬の使用が27年秋以降ふえたことが影響しているのではないかというふうな分析をしているところでございます。この中で、毎年伸び率というものは、国においては上がっていると。これについては、全体的には高齢化の進展、医療技術の高度化、そういったものも影響しているということが言えると思います。

 一方、区におきましては、国保会計上では、総医療費ベースで23年度は218億円、24年度は219億円、25年度223億円、26年度227億円と増加傾向でございましたが、27年度は226億円と約0.2%の減少がございました。これは被保険者数が減少の傾向にあるということ、また、比較的医療費の低い外国人留学生の加入がふえていること、また、後期高齢者医療制度への移行による喪失が多いことなどから、医療費が減少したと考えられます。

 ○辻薫委員  国においては1兆円ほど毎年ということ、今1.5兆円と言っていましたけれども伸びていると。また、豊島区におきましても、やはりこの中でも後期高齢者医療制度へ移行されている方もいるということで、そういった意味でちょっと減少しているというような話が今ありましたけれども、今後の見通しについてはいかがお考えでしょうか。

 ○佐藤国民健康保険課長  27年度の医療費につきましては、先ほど申し上げたC型肝炎治療薬、そういった高額の薬剤による影響が大きいと考えられまして、例年にはないイレギュラーな伸びを示していたというふうに考えております。しかしながら、最近では薬価が改定されまして、医療費の伸びは落ちついてきたのではないかと見られています。

 区においても、例えばウイルス肝炎のレセプトデータを確認したのですが、薬価引き下げ以降は費用額の減少が確認できています。しかしながら、これは母数が少ないため、これをもって減少傾向にあるというのは言いがたいんですが、比較的医療費のかからない留学生の加入増などの影響から、医療費の増加にはつながりにくい傾向が続いているというふうに見ております。

 ○辻薫委員  私も毎月、医者に行って薬をもらっているんですけれども、確かに安くなったという、薬価の引き下げというのを実感したところでございますけれども、それではその医療費の適正化へ向けてどうしたらいいかということで、特別区としての取り組みにつきましてお聞かせください。

 ○佐藤国民健康保険課長  特別区におきましては、この29年度の保険料率を設定するに当たって、基本的な考え方を3つ示しているのですが、そのうちの1つに医療費適正化施策への対応というものを掲げております。これは、特別区全体で広域的な取り組みが必要な状況にも来ているというようなことからなんですが、具体的には各区の既存事業のうち、先進的な取り組み、それから医療費適正化に効果が見込める事業について検証を行うとともに、30年度以降の国保制度改革を踏まえて、特別区全体としての事業実施などを検討していくというような動きがございます。例えば、広報媒体を通じた啓発の継続であるとか、関係機関と連携しながら、糖尿病重症化予防やジェネリック薬品利用促進などの取り組みを広域的に行っていくと、そういった必要があるというふうに特別区全体では考えているところでございます。

 ○辻薫委員  それでは、医療費適正化に向けて、本区の特に28年度の取り組みについてお聞かせください。

 ○佐藤国民健康保険課長  28年度におきましては、27年度からに引き続きまして、糖尿病重症化予防事業、これを着実に行っております。また、ジェネリック薬品差額通知などの取り組みも継続的に行っているところでございます。