平成28年決算特別委員会 辻 文化商工・教育費(10月 4日)①
不登校対策について
○辻薫委員 どうぞよろしくお願いいたします。私のほうからは、教育費のうち、不登校対策についてお聞きしたいと思います。決算参考書385ページになっております。
最初に、現在の不登校児童・生徒数につきましてお聞きしたいと思います。
○鮫島教育センター所長 本年度1学期末現在の不登校の児童・生徒の数でございますが、各学校より提出されている登校支援シートの集計結果によりまして、小学校の児童は13名、昨年と同じでございます。中学校の生徒につきましては56名、昨年は62名でございましたので、減少しております。
○辻薫委員 ちょっと中学校は減少しているということですけども、ここ数年のというか、傾向をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○鮫島教育センター所長 昨年度の不登校の出現率でございますが、小学校では0.35%、中学校では3.09%で、区の不登校出現率としては、ほぼ横ばいの傾向にあります。しかし、平成26年度問題行動調査の結果によりまして、東京都の不登校の出現率は0.46%、これは小学校です。中学校では3.17%ということで、区としての不登校の出現率は、小学校も中学校も東京都を下回る結果でございます。
○辻薫委員 比較して下回る結果ということなんですけども、そうしましたら、この不登校の児童・生徒のうち、教育センターが進めています適応指導教室の柚子の木教室に通っているお子さんはどのぐらいいらっしゃるんでしょうか。
○鮫島教育センター所長 今年度9月末現在の適応指導教室、柚子の木教室に入級している児童・生徒の数は39名でございます。そのうち3名が小学生、中学生が36名でございます。平成24年度の適応指導教室の人数は19名でございましたが、昨年度は45名、そして今現在39名ということで、適応指導教室入級の児童・生徒の数は増加しております。
○辻薫委員 受け皿になっているというか、ちゃんと通っていらっしゃる方もいらっしゃるということで、この不登校のそうしましたら原因というのをどのように考えていらっしゃいましょうか。
○鮫島教育センター所長 不登校の要因といいますのは、主なところは不安などの情緒的な混乱、無気力、親子関係、家庭環境、そして友人関係、対人関係、学業不振などが考えられます。しかし、中学生の数は大変多いということです。この理由といたしましては、中学生は思春期という発達段階の段階において、自分と他者を比較したり、そして自我を自覚する時期であり、この時期における不登校の顕在化が中学校ではあらわれているというふうに考えております。
○辻薫委員 そういう意味では、今後のこの対策なんかも考えなきゃいけないんですけども、対策には2つの面があると思いますけど、まず不登校の場合は、学校でこの児童・生徒が病気以外で欠席し始めた場合、どのような対応をされているんでしょうか、お聞かせください。
○鮫島教育センター所長 不登校になる予兆というのは、1日、2日、3日とだんだん学校を休んでいくところでございます。この初期段階において、不登校の対策をしていくことがとても大切だと思います。初期段階においては、学校から家庭訪問による児童・生徒への積極的な支援や、登校刺激、それから家庭の生活の改善を含めた家庭への適切な働きかけ、まず最も大切なのは未然防止、絶対に不登校させないという学校の日々の取り組みであるというふうに考えております。
○辻薫委員 今、未然予防というか、防止ということが大切だというふうにおっしゃっていましたけども、そのほかにこの不登校の予防策というのはどのように取り組まれていますでしょうか。
○鮫島教育センター所長 不登校の未然防止、学校での取り組みを支援する対策として、教育委員会ではハイパーQUを活用した子どもたちの人間関係づくり、学習意欲、学級での生活を把握し、そして学級における適切な人間関係や親和的な学級づくりを生かすようにしております。
もう1つは、不登校対策会議を計画的に全小・中学校で実施しております。不登校の対策会議というのは、スクールカウンセラー、そして学校の担任、それからスクールソーシャルワーカーの役割を明確にするとともに、その支援方法として、一人一人の児童・生徒のアセスメントを初めとする支援体制を行い、不登校の未然防止、そして初期対応ということを強く行っております。
○辻薫委員 私も予防対策というところで感じているのは、やはり家庭での取り組みということも大事かなというのを思っていまして、実はNPO法人の高卒支援会、積極的に取り組んでいるところなんですけれども、会の代表である杉浦理事長が31年間、こういう不登校だとか高校中退、ひきこもりなどの支援をしてきたわけで、保護者に対して、やはり引きこもらない子どもへの育て方というようなことも講演されているんですけども、本区でもそういう講演をしていきたいということで、教育委員会にもお願いをしているようなんですけど、この取り組みについてはいかがでしょうか。
○鮫島教育センター所長 保護者への啓発活動というのは、とても大切なことだと思っています。不登校の原因も家庭の親子関係、家庭での養育不安というのが大きなところでありますので、それも大切なことと思っております。
○辻薫委員 ちょっと取り組みについてはまだお話しいただけなかったんですけれども、何か実際、所管課は違う‥‥。
○兒玉庶務課長 教育委員会では今年度から家庭教育講座を実施しておりまして、保護者の方々が自主的に企画をして、そういった教育をテーマにした講座を開いておりまして、今御指摘の件につきましては、PTAに御紹介をしているところでございます。今のところ、まだ講演には至っておりませんけれど、まだ10校ほど残っておりますので、企画、立案をするかもしれません。推薦はさせていただきます。
○辻薫委員 ちょっと何か心もとない話なんですけど、いずれにしても、家庭での取り組みというのが大事だということは、こういったNPO法人も取り組んでいるということです。