平成30年決算特別委員会 福祉・衛生費10月15日

 介護予防センター・フレイル対策・高齢社会対策プロジェクト

○辻薫委員  よろしくお願いいたします。

私のほうからは、介護予防センターについて伺いたいと思います。

先日、ようやく同センターに私も行ってきたんですけれど、自転車で、要町から自転車で行って、坂道がありまして、行きはよいよい帰りは怖いというぐらいに、やはりかなり距離はあるかなというふうな感じがしたところでございます。

そこで、介護予防センターの利用状況や実績について、さらには、1年半が経過いたしましたので、その評価。区として、どのように評価されているのか、この2点につきましてお伺いしたいと思います。

○佐藤高齢者福祉課長  平成29年4月に開設いたしました高田介護予防センターについてでございます。利用状況でございますが、平成29年度、個人利用登録が230名、登録団体は11団体、延べ利用者で4,418名の利用がございました。去る7月7日には、1周年記念イベントとして大測定会というものを行いまして、100名を超える参加がございました。

この介護予防センターでは、東京都健康長寿医療センターの監修により作成いたしましたとしまる体操、これを毎日実施しておりまして、そのほか介護予防に関する講演会であるとかイベント等、さまざまな事業を行っております。自主グループによる活動も行われておりまして、個人、団体を問わず介護予防の拠点として活用されているというふうに認識しているところでございます。

1年半たちまして、その介護予防センターの取り組みについて、どのように評価をというようなお尋ねでございますが、まず、介護予防サポーターであるとか介護予防リーダー、この方たちのフォローアップ講座などを行いまして、そういった人材を養成してございます。そういった介護予防センターで活躍できるといったことが、高齢者自身の生きがいづくりなどにつながっているというふうに考えているところでございます。また、先ほど申し上げたとしまる体操、毎日2回実施することによりまして、介護予防をサポートする実践の場として機能しているのではないかなというふうに思っております。その効果が実感できるということで、この高田地区だけではなく、区内各所から通所されている方もいらっしゃいます。また、高田介護予防センターが自主グループの活動の拠点となり、多様な通いの場であるということにつながっているというふうに思っております。また、新規の利用者には簡単にできる介護予防の測定を促すなど、介護予防のきっかけづくり、そういった機能があるというふうに評価しているところでございます。

○辻薫委員  私も、としまる体操をやってみたんです。30分ほどかけてゆっくり、クラシック音楽でやったんですけれど、新世界か何かの音楽でやらせていただきました。初めてやっても、非常にやりやすいというんですか、すぐできるような感じだったものですから、これは続けられるかなというふうに感じております。これを今、いろんな団体で、高齢者クラブでもやっているということを近所の方から聞いていますけれども、実施状況について、また、その効果についてもお聞かせください。

○佐藤高齢者福祉課長  としまる体操につきまして、高田介護予防センターで毎日2回やっている。そのほか、自主グループもふえてございまして、29年度末には31グループが登録しておりましたけれども、現在では50グループまで拡大をしております。お尋ねの高齢者クラブであるとか民生委員さん、そういったさまざまなところで、そういったグループが活動されている。あとは、場所については区民ひろばなども活用されておりまして、さまざまな場所で活動をされています。

としまる体操の効果でございますけれども、特に足腰の部分で効果が出ておりまして、以前とったデータでございますけれども、としまる体操を3カ月間、週1回行った結果として、例えば片足立ちの時間が長くなることによって、安定感がアップするであるとか、握力がアップした。あとは通常歩行速度がアップして、素早く動けるようになった。そういった効果が3カ月で出るということがわかっております。今、委員がおっしゃったように、特に難しいことはしないスロートレーニングでございますので、親しみやすく、また、先生も要らないというようなこともございます。そういった中で、高齢者自身が主役となって継続できるというような要素もありまして、そういったものも通いの場の創出にもつながっているというふうに考えているところでございます。

○辻薫委員  私もやってみて、先生もいなくて、事務員さんが中心になって、あとサポーターさんが来てやっていました。中にはリハビリを兼ねて来ているという方もいらっしゃって、その人によってさまざまにやっていらっしゃるんだろうなと思っています。

そこで、この介護予防センターの現在の課題について、具体的な内容も含めまして、お聞かせください。

○佐藤高齢者福祉課長  平成29年4月に開設以来、1年半が経過いたしましたけれども、課題が大きく三つあるというふうに考えております。まず1つ目が利用状況の課題でございますけれども、個人利用登録者数、あるいは登録団体数が微増にとどまっているというようなこと。また、利用者に偏りが見受けられるというようなことがございます。

2点目といたしまして、機能上の課題でございますけれども、先ほど来、お話のありましたとしまる体操につきましては、一定の効果が出るということが確認できておりますけれども、高田介護予防センター自体が地域の高齢者のニーズに合っているかであるとか、より効果的な、効率的な事業が推進できているか、そういったものの効果検証が不十分であるというふうに考えております。また、地域の介護予防の拠点としてのセンター機能を果たせているかであるとか、そういったものの機能上の課題が2つ目としてあるのかなというふうに思っております。

3つ目は、業務運営上の課題でございます。事業実施に関して、まだ区が協議しながら事業実施しているような、区の支援が必要な状況が続いているようなこと。また、気軽に立ち寄ってみたいという魅力的な機器であるとか、そういったものもちょっと不足している、居心地のよさが不十分であるというような業務運営上の課題が3つ目としてあるというふうに考えているところでございます。

○辻薫委員  今、魅力的な機器ということで話がありました。コグニバイクというのがあって、トレーニングマシンということで紹介していただきましたけれども、ほとんど活用されていないと。私もそれをやってみました。実際に自転車をこいで、脳トレも兼ねてということで、ちょっとやりづらいというか、魅力に欠ける。あれを測定していって、自身の過去の履歴とやっていくと、よくわかるんだと思うんですけれども、何かそこまでちょっと皆さんが利用するかなというと、そうでもないような感じがしました。その1台だけ置いてあったので、ほかはないので、その点はやはり今後考えなければいけないなというふうに思っております。

そういったさまざまな課題が見えてきているわけですけれども、その課題をどのように解決していこうというふうに思っていらっしゃるのか、その点につきましてお伺いしたいと思います。

○佐藤高齢者福祉課長  今後の課題をどのように解決していくかというようなお尋ねでございますけれども、まず、介護予防センター自体の周知がまだまだ少ないのではないかなというふうに思っておりますので、あらゆる機会を捉えてそういった周知活動を行っていきたいというふうに考えております。また、健康長寿医療センターとも連携しながら、効果検証を実施するということ、また、介護予防の拠点としての役割を評価するということも今後やっていかなければいけない。また、区民ひろばなどへの横展開なども、さらに検討していく必要があると思っております。さらには、リハビリテーション専門職の活用であるとか、介護予防サポーターのさらなる活動強化などにより、たびたび利用したくなるような測定機器を設置をするということも含めて、魅力づくりに努めたいというふうに考えているところでございます。

○辻薫委員  私、冒頭でお話ししましたけれども、やはり、あそこの1カ所だと、西側からというか、いろんな、区内から行くのは大変だなというふうに思っています。私自身も自転車で、帰ってくるのが本当に大変でしたので、高齢者の方がどこまで行けるのかなという、そういう場所的な問題もあったかに思います。それでは、この介護予防センターについて、今後はどのように展開していくのか、区の考えをお聞かせください。

○佐藤高齢者福祉課長  介護予防センターについては、高田が第1号ということで、開設をいたしましたけれども、現在東池袋に、豊寿園の跡に介護予防センターを開設する予定ということで準備を進めているところでございます。そこでは介護予防の多機能にわたる機能を考えておりまして、特にフレイル予防、フレイル対策を主な機能とするフレイル対策センターとして設置したいということで準備を進めているところでございます。今後、介護予防センターのあり方などについては、これまでの効果検証、そういったものも含めて、今後の介護予防センターのあり方については構想をまとめていきたいというふうに考えておりまして、そういった課題とも向き合いながら、介護予防センターのあり方については考えていきたいというふうに考えております。

○辻薫委員  この点についてまとめたいと思います。今、ちょっとフレイル対策ということで、これは一般質問でも取り上げさせていただきましたけれども、例えばみらい館大明では、現在、フレイル対策としての大人食堂をやっている団体があります。これは貧困対策ではなくて、低栄養対策であり、皆で集まって食べることによって、そういう意味では、孤食を防いでフレイル対策と。ただ単に体力的な面ではなくて、社会的な参加というときのフレイル対策ということで、今、実際に始まったわけでございますけれども、先ほど、多機能型というか、介護予防センターというふうな話がありましたけれども、そういう意味では、こういった取り組みなんかも含めて、さまざまな工夫を、持続可能なものにしていくには、さまざまな工夫が必要であるというふうに思っておりますので、ぜひ強力な取り組みを最後にお願いしまして、この点につきましては、終了させていただきます。

○齊藤副区長  やはり高齢者の方が介護予防に取り組んでいただけるという意味では、やはり徒歩圏で行けるところに、ある程度、配置されていませんと、難しいのかなというふうに思っているところでございます。今、介護予防センターをそれだけの数、区内各地に配置するというのは、なかなか一方で難しい面もございますが、これは保健福祉部の施設に限らず、区民がよく利用される施設で、さまざまな形で御利用いただけるような総合的な検討をしたいなというふうに思っておりまして、それがいろんな文化施設であったり、または区民ひろばも有力な施設だと思いますけれども、そういうところでの身近なところで介護予防にある程度医学的な裏打ちを持ったものに取り組めるような環境をつくっていくことが一番、今、豊島区には合っているのかなというふうに思っておりますので、全体の施設再構築も含めまして、徒歩圏でなるべくできるような形の中で考えてまいりたいと考えています。

○辻薫委員  ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。

次に、高齢社会対策プロジェクトにつきまして質問させていただきます。

これは一般質問で西山議員が取り上げさせていただいて、区長からも答弁をいただいておりますので、ここでは本区の現状ですね、これに取り組むに当たって、現状をどのように捉えているか、この点につきまして、お聞かせください。

○直江福祉総務課長  高齢者を取り巻く本区の現状ということでございます。本当に課題はさまざまあろうかと思ってございます。そのうちの大きな課題としまして、これは本区だけではないんですけれども、高齢化が進みますと、それに伴って保健福祉関連経費が増大してきます。それは区財政への圧迫にもつながってくるということもあろうかと思います。現在の財政状況はいいですので、賄っていますけれども、このまま増大が続けば、保健福祉施策の持続を脅かしかねないということでございます。本当に高齢社会対策は、決して保健福祉ばかりではないんですけれども、やはり保健福祉がしっかりしていないと、本当に全体何もできなくなってしまいますので、そこを持続可能なものにしていかなければいけないというふうに考えてございます。

○辻薫委員  それで、今ちょっとお話がありました。私も最初の総括質疑のところで、やはり今の区の取り組み、財政状況はいいですので、今、お話もありましたけれども、厳しい一面で、急にこの収入が減となるというようなこともあろうかと。また、今後もそういう可能性もなくはないという中にあって、やはりこういう取り組みが、地道な取り組みがやはり大事だろうということでお話をさせていただいたところでございます。今、持続可能な取り組みという話がありましたけれども、この点については、具体的にどのようなことなんでしょうか。

○直江福祉総務課長  本当にこれもさまざまあろうかと思いますけれども、ただ、何といっても、やはり区民に健康であり続けていただくことというのは、本当に何よりも重要だなというふうに考えてございます。先ほど介護予防の話も出ましたけれども、これまでも、区は予防に力を入れてきたところですけれども、これをしっかりと健康寿命の延伸ですとか要介護者の減少といった結果につなげていくことが本当に必要だというふうに思ってございます。

○辻薫委員  それで、この間の全協でも説明いただきましたけれども、ビッグデータを活用してというようなお話がございました。そういう意味では、ちょっとその活用はこれからだと思います。今考えているビッグデータの活用の仕方につきまして伺いたいと思います。

○直江福祉総務課長  区には、本当にさまざま、医療のレセプトや区民意識調査の結果など、さまざまございます。こういったものは、本当に分野横断的に分析できれば、さまざまなことができるのかなというふうに思っているところです。本当に何ができるかというのは、これからではありますけれども、これは先ほど申しましたように、現状を放置しておけば、保健福祉財政が破綻しかねないなんてこともありますので、そこを今回のプロジェクトの中で一歩踏み出していきたいというふうに考えているところでございます。

○辻薫委員  協議会でもいろいろ伺いましたけれども、やはりこの課題という、その他の課題というところでは、どのように考えていらっしゃるんでしょうか。

○直江福祉総務課長  課題はさまざまございます。一つは、本区は一人暮らし高齢者が多いという特徴がございます。一人暮らしが多ければ、やはり安全・安心でなければいけないというのがございます。本当にこれから人口構造も変わりまして、何から何までサービスを充実させればいいということではないんですけれども、まずは、高齢者にとって住みやすいまちでなければいけないので、そこをしっかりとやっていくと。それに当たっては、区だけで決してできることではありませんので、コミュニティづくり、あるいは関係者の連携等をしっかりと進めていく必要があろうかというふうに思ってございます。

○辻薫委員  いずれにしても、今おっしゃっていたとおり、行政だけでできる取り組みではないということで、民間の活力とか、民間の事業者の、また、当然、地域の力というものを借りての取り組みになると思いますけれど、この辺はどのように進めていくか、確認させていただきたいと思います。

○直江福祉総務課長  全くおっしゃるとおりでして、本当にこれまで個別にさまざまやってきてございますけれども、なかなか全体として一つの方向性を持ってこられなかった、なかなか見えないところもございました。そこをしっかりと一つの方向に結果を出していくに当たりましては、本当に高齢化対策にかかわるあらゆる関係者が一つの方向を向いて、連携して進めていかなければいけないと思ってございます。それに当たりましては、今年度はまず区の中で大枠をつくっていこうと思ってございますが、来年度、推進協議会なるものを立ち上げて、その中で、オールとしまで一つの方向に向かっていく体制をつくっていきたいと考えてございます。

○辻薫委員  厚生労働省のこの資料によると、2040年ごろを展望した社会保障改革の新たな局面と課題ということで、人口構造の推移から見ると、2025年以降、高齢者の急増から現役世代の急減に局面が変化すると、こういうふうな捉え方をしています。当然、高齢者がふえていくと同時に、そうした局面をどう乗り越えるかということなんですけれども、新たな局面ということで、現役世代のこの人口が急減する中での社会の活力維持の向上ということで、具体的に2040年までに健康寿命を3年以上延伸することを目指すと、こういうような数値目標も出ております。また、労働力の制約が強まる中での医療・介護サービスの確保、テクノロジーの活用等による医療・介護サービスの生産性向上ということで、さらに2040年時点で、医療分野で5%以上、介護分野で10%以上、生産性の向上を目指すと、このような数値的な目標も出ておりますけれども、最後に、こういったことも踏まえましての取り組みについて、伺いたいと思います。

○常松保健福祉部長  今後考える上で、医療と介護の連携、あるいは健康寿命の増進は、非常に重要な課題だというふうに思っております。今、問題は、福祉総務課長が申し上げたような課題を、今後整理してまいりたいというふうに考えております。どうぞよろしくお願いします。