平成29年予特別委員会 3月13日、1款~4款の補足 辻発言

新庁舎の省エネ対策の成果

○辻薫委員  私からは、新庁舎の省エネ対策について伺いたいと思います。

 やはり私も総務委員会で、省エネ法の案件がございまして、この省エネ法の取り扱いを質問したときに、設計時は、現庁舎が省エネ法の基準に比べてCO2の排出量を30%削減する予定だった。ところが、完成時点では、さらに、LEDの導入によって45%の削減が可能な施設になったということで大変に驚いたわけですけれども、もう少し詳しくこの45%の内訳についてお聞かせください。

 ○上村庁舎運営課長  この削減数値なんですけれど、非常にちょっとわかりにくいところもありますので、どういう数値かというのをまずお示ししたいと思います。

 省エネ法という国の法律がありまして、ある一定規模以上の建物を建てるときに、これだけの省エネをすべきだという基準があります。その基準に比べた数値になっております。ここは庁舎なんですけれども、一応、事務所基準がありまして、そこに相当する庁舎の設備を評定しております。

 それで45%の内訳なんですけれども、45%弱、どのぐらいのCO2の削減量かというと、これが年間824トン。これは省エネ法の基準よりさらに824トン削減できる設備が入っているということです。一番大きいのは、照明設備の省エネが602トンで73%の構成比になっております。それから、2番目が空調設備ですね。こちらが171トンの削減をしております。全体でいうと、これが寄与率20%程度です。3番目が換気設備です。これが43トン。構成比でいうと5%程度です。それから、昇降機の省エネが8トン程度削減されておりまして、構成比でいくと1%程度。こういう内訳になっております。

 ○辻薫委員  それで、2番目の空調設備のCO2の排出量171トンと今おっしゃっていましたけれども、どんな方法でそれが削減されているのか詳しくお聞かせください。

 ○上村庁舎運営課長  空調機器、見た目ではほとんどわからないんですけれども、この建物の中の設備、相当いろいろな仕組みが組み込まれております。

 まず、設備自体の省エネ、省エネのポンプを使ったり、それからモーターを使ったりしておりますので、設備自体が、かなり新しい最新のそういう省エネ機器をまず使っております。

 それから、地域冷暖房を受け入れておりますので、これも相当評価されております。

 それから、一般に我々もなかなか気づかないところなんですけれども、空調の吹き出し口がいっぱいあるんですけれども、ある程度そこに相当の数のセンサーが仕組まれております。それを関知して適正な温度になるように、常に風の強さを調整しております。こういうことで無駄なエネルギーを使わないようになっております。

 それから、夜間、空気、温度が低いわけですけれども、それを夜、中に引き入れて日中の負荷を少なくすると、こんな設備も入っております。

 それから、早朝、冷暖房を立ち上げるんですけれども、そのときに車のドアと同じように外気が入ってくると効果がないので、そのときに外気を遮断して中だけ冷やしたり暖めたり、こんな装置も入っております。

 それから、BEMSという、中央監視室にそういう装置がありまして、今言ったような、ほかにもいっぱい入っているんですけれども、そういうものを常に監視しながら自動制御をすると、こういう設備も入っております。

 これらの合計で先ほど言った削減が図られております。

 ○辻薫委員  それで気になるのは、そういう基準値に対して45%となっているんですけれども、実際にはかった数値はどうなのかというのが気になりますけれど、この点につきまして、お聞かせください。

 ○上村庁舎運営課長  この数値を検証したもとは、やはり建築確認のときに、だから7年ぐらい前ですかね、やった数値なんで、実際どうなのかというところは我々も非常に心配だったわけですけれども、先ほど言いましたBEMSという、そういう監視装置が入っておりまして、常にエネルギー量が把握できるようになっております。それで1年間たちましたので、これを集計していただいたんですけれども、ほぼ計画時の数値におさまっているということでございます。

 ○辻薫委員  それで、先ほど出ましたこの地域冷暖房費というのをちょっと伺ったところ、1億3,322万円かかっているということで、非常に大きい数字だなと思っていますけれども、この地域冷暖房の費用というのがかなり大きなウエートを占めていますけれども、先ほどのエネルギーの削減の効果が出ていても、こんなにかかるのかなという、単純にそう思っているんですけれども、この点はいかがでしょうか。

 ○上村庁舎運営課長  来年度予算でも全体の光熱費というのは1億9,800万程度なんですけれども、そのうち1億3,000万程度が地域冷暖房ということで、非常に比率が高いわけであります。このお金は、サンシャインの中にあります地域冷暖房株式会社、こちらが供給元ですので、そこにお金を払っているんですけれども、この建物を建設するときの引き込みの設備、中にもありますし、持ってくるためのパイプラインを、地下鉄の下を通して相当な工事をやっております。そういう費用は私どもは一切負担しておりません。したがって、これらの経費と、それから日常の運営費、それと将来の修理費、これらを、我々が払う地域冷暖房の経費の中に均等に含まれるようになっております。将来のメンテ代も含めてですね。

 したがって、一見非常に高く見えるんですけれども、これは直接払っているエネルギー量だけではなくて、そういったお金も含まれておりますので、そういうことで、経費と省エネというのは単純に比較できないということです。したがって、ほかの建物の、ビルの光熱費とどうかという比較をしても余り意味がないということです。

 ○辻薫委員  そういった意味では、庁舎の、環境庁舎と言われるゆえんとしてそういった取り組みがあることがよく理解できたんですけれども、やはり設備面だけではなくて、小まめな消灯だとか、職員でできるソフト面での省エネの取り組みというのも必要だというふうに私は思っております。

 また、この庁舎の省エネの仕組みの概要はパンフレットやホームページで紹介されているということで、私もちょっと前のこれを見ると、CO2排出量が30%以上と、まだこれが30%になっているんですけれども、これが45%に変えられるというのを最近知ったんですけれども、そういった意味では、改めて区民の皆様にこのパンフレット、そしてホームページで庁舎の、いかに環境に優しく、そして、そういった取り組みがされているのか、全国に誇れる庁舎ということで言っても過言ではないということで思っておりますけれども、そういったアピールもしていただきたいと思いますので、今後の環境庁舎としての取り組みも含めまして、今後のアピールする部分とかも含めまして、最後一言お願いします。

 ○上村庁舎運営課長  開庁当時は相当ばたばたしていた関係もあって、照明等もかなり夜遅くまでつけていたりしておりました、実際。ただ、その辺のこともありますので、もう細かに、各フロアごとのいつまでつけたらいいかと検証しまして、現在は相当、不要のときの消灯はもう自動的に行うようになっております。やはりそれによって効果というのが出ておりますので、予算的にも、電気代等についてはすごく少なく実績が出ております。また、今御指摘のあったように、若干見た目でわからないところが非常に多くて、わかりやすく解説しないと区民の皆さんが本当に省エネなのかというのがわかりにくいところも確かにございます。

 それと、この庁舎をつくるときに、やはり区内はもちろんのこと、全国のモデルになるような環境庁舎でつくるということでスタートしておりますので、せっかくのこういう設備を、まず区内の民間のビルを参考にして省エネを図っていただきたいという普及活動に相当使えると思いますので、環境政策課とも協力して、今後、もっとわかりやすい表示の仕方を考えまして、アピールしていきたいというふうに考えております。

 ○高野区長  大変、新庁舎、当然このような省エネといいますか、これが一番の課題だというような形でいるわけでありますが、たまたま私も夜10時ごろ、ちょっと遅く帰ったらエスカレーターが動いているんですね。これはだれも乗っていないし、もったいないではないかと、とめられないのかということで上村君のほうにすぐ連絡して、いろいろ調べたら、あれ、1時間に200円だそうなんですよね、金額的にも。2階のお店も11時までやっているわけでありまして、これはうちが全部持っているわけではございませんけれど、組合全体ですけれど、1時間にあれ、動いていても200円というのは随分安い電気料だなというような、そんな感じがしたんで、恐らく区民の方はだれも乗っていないから無駄ではないかというような御批判は必ずあると思ったんで、そういうのをよく調べて答えられるようにということ。

 もう1つ、やはりこの庁舎全体が、豊島の森が環境大臣賞を受けたり、周辺の取り組み等々も含めて、外壁も含めて非常に高い評価を受けているだけに、この辺の効果は数字できちんとやはり区民にも周知したり、これがまさに環境庁舎であるというようなことをきっちりと数字を示しながら区民にお知らせしなきゃいけない。そんな思いもしておりますので、これからもこれらについて、本当にモデルになるような庁舎にしてまいりたいと思っております。