平成22年予算特別委員会 議会・総務費( 3月 5日)

セーフコミュニティの認証取得目指し

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辻薫委員  公明党の辻でございます。よろしくお願いいたします。

私からは、平成22年度の最重点施策として、セーフコミュニティについて質問させていただきます。

実はこの質問につきましては、会派でやはり一番大事な予算委員会の冒頭に何をやろうかということで検討して、一番これが重要であろうということで取り上げさせていただきましたので、そのつもりで理事者の方もよろしくお願いいたします。

セーフコミュニティにつきましては、私が昨年の第3回定例会の一般質問で、自殺予防につきまして取り上げさせていただきまして、その際、高野区長から、健康、防災、治安など、区民の暮らしの安全・安心を確保する対策として、総合的に捉えることが大変重要であり、セーフコミュニティの認証取得を視野に入れながら、健康都市、そして安全・安心都市の実現に向け、豊島区からの取り組みを積極的に進めていきたい、このように答弁いただきました。そして私は、この質問の勉強している中で、昨年9月に東京ビックサイトで第5回のWHO世界自殺予防デー、このシンポジウムが行われまして、豊島区でも講演いただきました青森県十和田市の反町吉秀保健所長がプレゼンテーションの中で、セーフコミュニティの認証取得が自殺予防の有効な手段であると、こういうことを認識しておりました。

そこで今回、豊島区がこんなに早く認証取得に向けての取り組み宣言をされた、このことに対し、まず深く感謝を申し上げるとともに、またスピードを持って取り組んでいただきましたこれまでの皆様のご努力に対しまして、深く敬意を表するものでございます。

そこで、認証取得への取り組みについて何点かお伺いいたします。

最初に、費用面についてでございますけれども、平成22年度はこの予算書の185ページにございますとおり938万円となっておりますけれども、以降23年、24年と認証取得までどのぐらい費用がかかるものか、まずお聞きしたいと思います。

齊藤政策調整担当副参事
費用面でございますけれども、今年度は調査がたくさんございますので少しお金がかかりますけれども、来年度は調査というよりはどんなプログラムをつくっていくかということでございますので、これよりもう少し抑えることができると思います。

また、認証そのもの本体の、認証のそのときの経費というのは、大体40万円程度でございまして、よく言われるのはISO14001シリーズなんかは数百万円単位でお金がかかりますけれども、これについてはお金はかかりませんが、地域の皆様のご協力はたくさん必要だという形だと思っております。

辻薫委員  はい、わかりました。

それと5年後の再認証ということで、この辺の費用も、では、それほどかからないということでしょうか。

齊藤政策調整担当副参事
再認証に向けましては、今回一定の調査をするわけでございますけれども、その調査の結果が、豊島区の取り組みによってどれだけ改善されたかといったことをある程度明らかにしていく必要があると思います。

ですから、調査については、これから具体的に設計をするわけでございますけれども、定期的に調査をしていく必要があるわけですね。それは評価をする上でも絶対必要なことだと思っております。

ですから、5年後ということを、再認証はありますけれども、そこに向けては、再認証の本体の費用はほとんどかからないと思うんですが、定期的な調査というものをいかに効率的に、またコストも抑えながら、豊島区が都市としてそれを確立していくかといったところが1つ大きな課題となってくると思っております。

辻薫委員
私も今、出ましたけれども、民間企業でISOの取得のマニュアルづくりや、また、その後の内部監査委員も務めさせていただきまして、費用面でかなりかかるということでお聞きしたわけですけれども、併せて認証取得へ向けて、認証機関からアドバイスを受けるということがISOではございましたけれども、それに費用が結構がかかったんですが、今後の進めていく中でアドバイザー的な存在というのはどのようになるんでしょうか。

齊藤政策調整担当副参事
WHOの共同センター、アジアセンターというところがございまして、そこに日本の方でお一方、コーディネーターという方がいらっしゃるんですね。その方が1つはWHOからのパイプ役となりまして、豊島区の情報をWHOに伝え、またWHOからのいろんな示唆をその方を通じたことになっておりまして、そういった意味では、その方がひとつWHOとのパイプとしてはお一人、豊島区としてはお願いしようと思っておりますが、費用につきましては、そもそもそういったことを本務とする方でございますので、高額な費用は必要ないと聞いてございます。

また、それ以外の、豊島区にはいろいろ大学もございますし、いろんな研究機関の皆様のご協力をいただける中で、多少費用はかかるかもしれませんけれども、できる限り費用については皆様のご協力をいただく形で頑張っていきたいと思っております。

辻薫委員
わかりました。費用につきましては、これからの取り組み次第ということでもあると思いますけれども、次に、昨年の一般質問で、自殺予防の体制として、私は区役所内の関係部局でつくる庁内会議という、こういった縦軸と、地域の関係機関でつくる地域ネットワークという横軸を連動させて、さらに区内の社会資源を総動員して、顔の見えるつながりの中で、生きる支援の拡充を図るという取り組みを紹介させていただきました。

そこで、未来戦略推進プラン2010の57ページにも出ておりますけれども、この部門、横断的な典型、こういったところにつきましては、具体的に今言った庁内会議とかなんかも含めまして、どのように取り組んでいかれるかをお聞かせください。

齊藤政策調整担当副参事
まず、庁内につきましては、2月18日にセーフコミュニティ推進本部という組織を立ち上げまして、区長が本部長でございまして、全部の部長がそのメンバーに入ってございます。

先程もご質問がございましたけれども、セーフコミュニティは特定の担当が進めるものではなくて、すべての部局がそれぞれの課題を自らのものとして調査研究を進め、具体的にプログラムをつくっていく活動でございますので、こういった推進本部の中で各部局の垣根を越えた連携、また主体的な検討を促していきたいと思っております。

辻薫委員
全くそのとおりだと思っております。やはり午前中もいろんな審査の中で、もう豊島区はいろいろ取り組んでいるんじゃないかということで、ある意味では区長は集大成ということで、このセーフコミュニティを捉えていらっしゃいますけれども、私はあと、では、欠けているものは何かといった場合には、やはり庁舎内の部局の連携、これがやはり欠けているというと語弊がありますけれども、一層深めていかなければならないと感じております。むしろ現場、町会等は、今回もある町会長は、やはりまた区長は新しく何かやろうとしているとか、こういう話もございましたけれども、そうではなくて、今までやってきたことのすべての積み上げであるということで皆さん一生懸命で頑張っていらっしゃる。ただ、やはりそれを大きく開化させていくのは庁内の連携であろうと思っておりますけれども、この庁内連携をさらに深めていくために、実は各部からいろいろとお聞きしたいところだったんです。今日はもう総務部しかいらっしゃらないので後日お聞きしたいと思います。

では、引き続き、もう1つ、地域における横断的な組織づくりということで、こういうこともございました。午前中も少し出ておりましたけれども、ここで言う地域というのはどのような単位を想定されているんでしょうか。

齊藤政策調整担当副参事
地域と申しますのは、いろんな大きさがございますけれども、今、検討しておりますのは、1つは、先程も出ておりました、住宅地では地域区民ひろば、小学校区を単位とするものがあると思います。区民ひろばにつきましては、運営協議会も立ち上がってきておりますので、そういったものも決して屋上屋を重ねる形ではなくて、既存の皆様の活動を生かしながら進めていくことができると思います。

またもう1つは、先程ども出ておりました地域協議会のモデル事業、ここもひとつ地域の横断的な組織として、地域の課題を話し合っていくところでございますので、これについても、ぜひとも活用するような形でお願いをしていければと思っているところでございます。

辻薫委員
はい、わかりました。私もこの組織というところでいろいろと考えていく中で、これは防災関係にしてくるんですけれども、1つは、また学校単位の救援センターという1つの地域というか、取り組みもあると思うんですけれども、ここでの連携も必要かなというところで1つ提案をさせていただきたいと思います。

次に、豊島区でのこの認証取得は、もちろん東京でも初めてですし、先程来出ております日本一の高密都市というところでの取り組みでございますので、地域の連携だとかというのは非常に難しいところもございますけれども、ただ、今現在、区で考えているこうした特徴ある取り組みとしてはどのようなところがございますでしょうか。

齊藤政策調整担当副参事
豊島区といたしましては、やはり池袋があるということ、大きな繁華街を持っているというとは1つ大きなテーマだと思っております。また、池袋では、犯罪ももちろんでございますけれども、外国人の皆様との共生ということもやはりセーフコミュニティの中で大きなテーマとも思っておるところでございます。

それから、商店街であれば、これは私から申し上げるまでもなく、例えば地蔵通り商店街みたいなところは、非常に高齢者の方々に親しまれているところでございまして、おもてなしの心を持って迎えている商店街でございます。そういったところで、高齢者の安心・安全の取り組みをするということになりますと、また豊島区としての地域特性と、さらに安心・安全の取り組みの相乗効果を得られるとは思っておりますし、また、豊島区は漫画文化というのを持っております。子どもの皆さんに安全・安心を伝えていく、教育していく際に、そういった漫画の文化も活用するようなことも考えられるのではないかというふうにも思います。

ですから、具体例があれですけれども、豊島区が持っている誇るべき地域資源も、そういう安全・安心の取り組みと掛け合わせながら、世界に誇れるような取り組みを構築していければと思っております。

辻薫委員
ある意味で、すべてが包含されてしまうというか、になってくると思いますけれども、私はこの区における2度にある講演会を通しまして感じたのは、やはり今も申し上げましたけれども、セーフコミュニティの取り組みについては、全く新たな活動をするということではなくて、これまで推進してきた様々な活動を最大限に活用していくということと、もう1つは、やはり京都府亀岡市、篠町のような自発的な取り組みというものを、どう、また区が支援していけると思っております。

そのコミュニティーの形成の結果として、そのセーフティーというか、安全が確保されるというところで、私自身は勝手に理解しているんですけれども、このコミュニティーによる安全・安心ということであれば、むしろセーフとコミュニティーのこの関係というのはセーフ・バイ・コミュニティーだなと、コミュニティーがあってセーフが確立されると思っています。

この質問の最後でございますけれども、区制施行80周年の認証に向けて、区の決意を最後にお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。

高野区長
このセーフコミュニティについては、今、ご質問で、また区長が新しいものというお話をいただきましたけれども、これは議会でも一般質問で特に辻さん等々からも自殺の問題、あるいはがん対策、防災、治安という様々な議会からのいろいろなご質問もいただいた中で、総合的にトータルでこういうものの解決にはどういう身近なという形の中で、先程来お話ししたように、安全、健康、コミュニティーという3つを目標にしながら、やはり未然に事故、けがを防いでいく、自殺もそうですけれども、社会の貴重なやはり人脈というか、人といいますか、命というものをいかに大切にしていくかというのが私は基本ではないかと思っております。

そして、一番欠けているものはという形の中で、庁内との連携という形、これについては私も、我々が理解していなければ区民の方にとてもご理解いただくというのは大変難しいという形の中で、2度、3度にわたり研修会もやらせていただくと同時に、やはり共同認識を持ってやっていきたい、そんな思いをしておりますので、今るるお話しいただいた、まさに豊島区が目指す方向として、このセーフコミュニティをしっかりとみんなで情報を共有して、それでやはり一緒にいかなければ、もちろん区民が主体でありますが、そういう形の中で盛り上げていき、本当にこの豊島区が安全・安心な都市であるという、内外ともに認められるような、そういうまちづくりの基本として進めていきたいという思いでありますので、今後の取得までは大変な道のりだと思いますけれども、また、認証取得をしても取り消しもあるという大変厳しい挑戦ではないかと思っておりますが、庁内はもとより区民の方々がお一人一人が十分理解できるように、これからの2年間が勝負だと思っておりますので、最善の努力をしていきたいと思っております。