平成26年決算委員会 辻薫 10月 9日 福祉衛生費

待機児童対策緊急プランの進捗

○辻薫委員  公明党の辻でございます。

最初に一昨日、ことしのノーベル物理学賞ですか、日本人3名が選ばれたということで、大変にうれしいニュースが飛び込んでまいりました。物理学賞というのが2008年、6年前に続いて、3人独占するということで快挙であるということで、本当にすごいなと思っております。特にこの青色LEDというのは我々身近に感じている、既に実用化されているものですから、本当にひしひしと感じたわけでございます。なぜこの話をしたかというと、こういう明るい話題ですので、ぜひ本日の決算特別委員会の答弁は前向きで明るい答弁をいただきますようお願いしたいと思います。

私からは、児童福祉費のうち、区の緊急の課題であります待機児童対策について伺います。決算参考書の245、247ページでございます。まず待機児童についてですが、この3年間の待機児童数とともに23区との比較につきましてお示しいただきたいと思います。

○猪飼子育て支援課長  待機児童数の状況でございますけれども、平成24年度の4月1日につきましては129名、25年4月1日が270名、26年度が240名という状況でございます。23区の状況でございますけれども、就学前児童人口に対する認可保育所及び認可外保育所を利用する割合を求めまして比較いたしました。こちらにつきましては、平成26年4月1日現在で利用率が豊島区は40.1%となってございます。参考までに申し上げますと、25年4月1日が38.1%で、26年4月1日が40.1%でございます。こちらにつきましては23区の中で10番目の利用率ということになってございます。

○辻薫委員  待機児童の比較ということで、むしろ10番目ということで、10番目にいいと。利用率でいうと10番目にいいというような理解でございます。そこで平成25年度における待機児童対策といいますと、待機児童対策緊急プランが挙げられます。同年度の認可保育所希望者が急増するということがございましたので、自民、公明、自治みらいの3党で高野区長に申し入れを行い、策定されたものでございます。この待機児童対策緊急プランは、平成25年第1回定例会におきまして、25年度当初予算案の同時補正案件として計上されまして議決されたわけでございますけれども、この区の意気込みを感じた次第でございます。プランの内容としましては、平成25年度から26年の2年間でスマート保育所や認証保育所、保育ママなどの誘致で約300人分の受け入れ枠をふやすというものでございました。それまで区が実施してきました既存の保育計画と合わせると2年間で約420人分の受け入れ枠をつくるものであったと記憶しております。そこで、このプランの現時点での進捗状況をお聞きかせください。

○小野寺保育政策担当課長  待機児童対策緊急プランの進捗状況についてお答えいたします。待機児童対策緊急プランにより2年間でふやす予定の受け入れ枠数が約300でございまして、ことしの4月に用意できた数が245名分、そのほかに既存の保育計画で予定した120名分と合わせますと約365名分の受け入れ枠を用意してございます。進捗率で申しますと約86.9%というふうになります。本年の11月には予定していた保育施設がすべて済みます。ここで100%になります。

○辻薫委員  この2年間でふやすはずだった約420名分の受け入れ枠のうち、約86.9%ということで、1年間で用意ができたということは相当なスピードでこの保育施設の整備を行ったことが伺えるわけでございます。その中で東京スマート保育の開所につきましては豊島区が都内で一番早いということで新聞報道されましたけれども、私ども公明党区議団も都内初のスマート保育所であります目白ラルスマート保育所の開設へ向けて都議会とともに連携し、強力に推進してきたわけでございます。そういうこともございまして、開所前に見学をさせていただきました。既存の建物を改修して子どもの目につきやすいというか、アットホームなつくり方というのを私たちもひしひしとその現場で感じたわけでございますけれども。ところで、この決算参考書の244ページから247ページを見ますと、緊急対策プランの執行残額が約3億5,000万、緊急対策プランの全体の予算の執行率が60%であることがわかりました。執行率の割に先ほどの進捗率が約86.9%ということでございましたので、保育施設の整備が進んでいるように思いますが、この違いというか、原因はどこにあるのか、ちょっとお示しいただきたいと思います。

○小野寺保育政策担当課長  ただいまの御質問についてお答えいたします。まず緊急プラン全体の予算額ですけれども、このプラン自体、非常に短期間の間に考えなければならないことがございまして、ある程度大くくりなものにならざるを得なかったというものが前提としてございます。そのほか、例えば臨時保育所ですとか、一時保育事業、そういったものを施設を活用してやるつもりでおりましたけれども、いろいろ調査したところ、ある程度使えるところが限られるというような事情もございました。そのために予算の執行残額が少なからず出てしまったということがございます。ただし、使える施設が見込みよりも少なかったとしても、例えば臨時保育所などは当初は2つの施設でそれぞれ定員30名の保育所をつくろうということでございましたけれども、使える施設が1カ所しかないということで、設計等工夫を重ねまして、定員60名のところを1カ所つくるようなことに至ったわけでございます。こういった細かい工夫をしたことが予算の執行残額が少なからず出てしまってはいるけれども、保育施設の整備がある程度進められたということであるかと考えております。

○辻薫委員  なるほど保育施設の設置が進まないという障害があったとしても、活用できるところは最大限に活用していくというような工夫がございまして、保育施設の設置を進めて結果的に順調に推移したということで、執行率は60%でございましたけれども、そういう形ででき上がったというわけでございます。そういうことで、ことしの4月の待機児童を先ほどお伺いしましたけれども、前年よりも30名減って240名になったということで、この緊急プランを実行しなかったらもっと待機児童が間違いなく増大していたというふうに思っております。しかしながら、待機児童240名、前年よりも減ったとは言いながらも240名、まだまだ多い状況でございます。

待機児童解消にかかわり、先日の我が党の西山議員の一般質問に対しまして、区は遅くても平成29年度当初までに待機児童数をゼロにする方針であり、昨年度実施した区内の子育て世帯を対象としたニーズ調査の結果をもとに、今後2年半で約1,000人分の保育施設の受け入れ枠をつくっていく。それだけの拡大をするためには認可保育所を10園ほど、小規模保育所を18園ほど誘致することになると考えていますと、このように答弁されたわけでございます。今後2年半で認可保育所を10園、そして小規模保育所を18園つくるということは結構厳しい数字に思いますけれども、本当にこれ実現できるかどうかを聞きたいと思います。

○小野寺保育政策担当課長  確かに認可保育園10園程度、小規模保育所18園程度というこの数字だけを見ますと非常に厳しいものがあるように見えるかもしれませんけれども、実は現時点で非常に多くの事業者のほうから多種多様な提案を受けてございます。例えば認可保育園について言いますと、既に10園以上の提案を受けてございますし、小規模保育につきましても4月から公募をしてございますけれども、日々問い合わせですとか、具体的な提案がなされているというような状況にございます。現在、審査のほうを慎重に進めております関係で、正式な決定はもう少し先になってしまいますけれども、遅くとも平成29年の当初までには認可保育園10園程度、小規模保育所18園程度の設置は可能だというふうに考えております。今後の例えば物件の提案の内容ですとか、保育需要の増減数なんかに応じて、例えば認可保育園をもっとふやして小規模保育所を減らすみたいなことは出てくるかもしれませんけれども、いずれにしましても今後の状況を見ながらしっかり待機児童をゼロにすべく、認可保育園10園程度、小規模保育所18園程度は実現したいと考えております。

○辻薫委員  早速前向きな答弁ありがとうございました。一般質問でもいただいていたのですけれども、再度この決算委員会でも確認させていただいた次第でございます。認可保育所10園、小規模保育所18園、これはちょっと数字が変わったとしても結果的には待機児童解消へ向けての取り組みは行うということでお話をいただきました。